欧州で自主隔離期間の短縮相次ぐ 休業者増大、経済マヒ懸念

【パリ=三井美奈】新型コロナウイルスが流行する欧州で、各国が陽性患者、濃厚接触者の自主隔離期間の短縮に動いている。新変異株「オミクロン株」の感染から発症までの潜伏期間が短く、ワクチンで重症化が相当程度抑えられることが明らかになったうえ、隔離者の急増で交通機関や学校など、社会インフラの運営が困難になったことが背景にある。

フランスでは3日から、新ルールの適用が始まった。濃厚接触者には7日間の自主隔離が求められているが、ワクチン接種を完了していれば免除することになった。ただし、陽性患者との接触から、定期的に3度の感染検査を求める。

ベラン保健相は2日付仏紙で、隔離により欠勤者が急増している状況に触れ、「みんなが自主隔離すれば、国が止まってしまう」と述べた。英国の調査によれば、オミクロン株はデルタ株と比べて重症化リスクが3分の1にとどまると述べ、経済活動の継続と感染対策のバランスが必要だと訴えた。

仏国内では今月、1日当たりの新規感染者が20万人を超える日が続き、交通機関や学校、工場や企業の運営に支障が出ている。

新ルールでは、陽性者に対する隔離期間の短縮も認めた。ワクチン接種を終えた人には7日間、接種を終えていない人には10日間の隔離を求めているが、検査で陰性が確認されれば、それぞれ5日間、7日間にできる。

ドイツでも7日、連邦政府と州政府の協議で、自主隔離の待機ルール変更が決まった。感染者や濃厚接触者の隔離は14日間から、10日間に短縮された。濃厚接触者の場合、ワクチンの追加接種を受けていれば、隔離措置が免除される。ショルツ首相は「ワクチン接種を進めることこそ重要だ」と訴えた。

イタリアも昨年末にルールを改定した。濃厚接触者の自主隔離は10日間だが、ワクチンを接種していれば期間を短縮。追加接種を終えている人には隔離を免除した。ただし、陽性患者との接触から10日間、医療用マスクを着用することを条件としている。