中国で新型コロナウイルスの感染を抑えるため、12日までに陝西省の省都西安市など3都市の計約2千万人がロックダウン(都市封鎖)の状態に置かれた。北京冬季五輪が来月4日開幕と目前に迫り、中国当局は強権で感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策を貫徹。新規の市中感染者は1日100~200人程度と欧米や日本に比べ少ないが、厳戒態勢を敷く。
共産党の習近平総書記(国家主席)は、ゼロコロナ政策で社会主義体制の優位性が証明されたと誇示する。異例の総書記3期目を目指す党大会を今年後半に控え、政策転換の選択肢はない。感染力の強い変異株オミクロン株は、五輪会場となる北京市に隣接する天津市など少なくとも7都市で確認された。
西安市(人口約1300万人)は昨年12月23日に封鎖を始めた。PCR検査を繰り返し、ここ数日は1日500万人超に実施。12月9日から今月11日までに2025人の発症者を確認した。医療体制が混乱し、企業や個人事業者は休業。食品の供給も停滞した。(共同)