入試救済策「なぜ直前に」「公平性どう確保」 戸惑う大学

昨年の大学入学共通テストの受験会場=令和3年1月、兵庫県西宮市の関西学院大学(沢野貴信撮影)
昨年の大学入学共通テストの受験会場=令和3年1月、兵庫県西宮市の関西学院大学(沢野貴信撮影)

大学入試シーズンの幕開け目前に、文部科学省が新型コロナウイルス感染者や濃厚接触者への救済策をまとめた。大学入学共通テストを受験できなくても、2次試験などの個別試験の結果だけで合否判定を認めるのが柱。新変異株「オミクロン株」の感染拡大を踏まえた異例の対応といえ、受験生の不安払拭を重視した。一方、公平性の確保といった課題もあり、大学側からは「先が見通せない」と戸惑いの声が相次いだ。

「急な依頼で困惑している。要請に基づいて配慮できるようにしたいが、どこまで実現できるかは不透明だ」。神戸大の入試担当者はこう嘆いた上で、「同じ基準で合否判定できない以上、公平性をどう確保するのか悩ましい」とこぼす。

国公立大の入試は一般的に、共通テストと個別試験の両方の成績で合否を判定する。個別試験に進む受験生を、共通テストの成績で絞り込む「二段階選抜」を行う国公立大も少なくない。

共通テストは多くの私立大も活用している。立命館大は共通テストの成績だけで合否を決める「共通テスト方式」を15学部で実施し、昨年は延べ2万3千人が出願。担当者は「対応はこれから検討しなければならない」としつつ、「受験機会や公平性の確保が論点になるが、どこまで対応できるか見通せず難しい判断になる」と話す。

近畿大の担当者も「(共通テストの)本試験と追試験でおおむね対応できるのでは」としながらも、「両日程も受けられなかった場合は、共通テストを利用しない一般の入試で受けてもらうしかない」。同志社大の担当者は「救済策の具体的な検討は、共通テストが終わってからになる」と話した。

ただ、救済措置の対象者は限定的になるとの見方もある。昨年の共通テストでは新型コロナ流行に伴う長期休校に配慮し、1月に2つの試験日程を用意。両日程とも受けられなかった人には2月の特例追試験を案内した。大学入試センターによると、コロナへの感染などで1月の追試験(第2日程)の受験を認められたのは224人で、特例追試験に回ったのは1人しかいなかった。

文科省は今回、コロナの影響で2次試験などが受けられなかった受験生には、面接や小論文といった「総合型選抜」で合否判定する救済策も打ち出したが、実際に対象となる人は少数とみられる。

一連の文科省の対応について、大学入試に詳しい桜美林大の田中義郎教授(教育学)は「特に共通テストと個別試験の成績を組み合わせて合否を決める国公立大は難しい対応を迫られる。救済措置のはずが、受験生の間で不公平感も生まれかねない」と指摘する。共通テスト実施を目前に控えた中での要請に「文科省の見通しが甘く、対応が遅すぎる」と批判。「最悪の感染状況を想定した上で、最低でも昨年同様の試験日程を確保し、希望者全員が共通テストを受験できる機会を設けるべきだった」と述べた。(桑村大、藤井沙織)

速報予定 国公立大学(前期日程)

私立大へ
  • 東京大学試験後順次公開
  • 京都大学試験後順次公開
  • 名古屋大学試験後順次公開
  • 広島大学試験後順次公開
  • 九州大学試験後順次公開
  • 北海道大学試験後順次公開
  • 東北大学試験後順次公開
  • 筑波大学試験後順次公開
  • 千葉大学試験後順次公開
  • 東京医科歯科大学試験後順次公開
  • 東京工業大学試験後順次公開
  • 一橋大学試験後順次公開
  • 浜松医科大学試験後順次公開
  • 岐阜大学試験後順次公開
  • 大阪大学試験後順次公開
  • 大阪公立大学試験後順次公開
  • 神戸大学試験後順次公開

速報予定 私立大学

国公立へ
  • 同志社大学試験後順次公開
  • 立命館大学試験後順次公開
  • 関西大学試験後順次公開
  • 関西学院大学試験後順次公開
  • 早稲田大学試験後順次公開
  • 慶應義塾大学試験後順次公開