2年ぶり有観客の沖縄キャンプに期待と不安 地元や球団手探り

新型コロナウイルスの感染拡大が続く沖縄県。12日も1644人の新規陽性者が出る中で、来月1日からプロ野球9球団が春季キャンプを開始する。地元や選手は歓迎姿勢を示すが、さらなる感染拡大のリスクは否めず、手探りでの準備が続く。

同県は31日まで「蔓延(まんえん)防止等重点措置」が適用されている。同措置下のイベントは、客が大声を上げないことを条件に原則として2万人が上限。プロ野球の斉藤惇コミッショナーは11日、改めて政府方針に準じ、有観客で実施する意向を示した。

選手もこの動きに歓迎の姿勢を示す。緊急事態宣言が発令されていた昨年は無観客。同県内で自主トレーニング中の坂本(巨人)は12日、「ファンに練習を見てもらえるのはキャンプならでは。うれしい」と、2年ぶりの有観客開催に頰をほころばせた。

キャンプ関連の経済効果は大きく、地元の期待も高い。りゅうぎん総合研究所によると、コロナ前の2019年は期間中に約40万8千人の観光客が同県を訪れ、経済効果は約141億3100万円。無観客開催だった昨年は約23億6600万円と激減した。担当者は「昨年の数字を見て、観客を呼び込む重要性を再認識した。宿泊や飲食業を中心に『今年こそ』という声は大きい」と話す。

受け入れる自治体は感染者の推移を見ながらやきもきした日々を送る。日本ハムのキャンプ地、名護市。新庄剛志新監督の就任で注目度は高く、同市には日本ハムの本拠地・北海道のファンからも問い合わせが寄せられているという。

「多くの方に来てほしいのが本音だが、なかなか確定的な話をできないのが心苦しい」と同市観光課の担当者。〝ビッグボス〟効果に期待しながらも、ワクチン接種証明書の提示や感染者が出た場合の追跡調査など球団に委ねざるを得ない部分も多く、「県や球団と情報を共有して手探りでやっていくしかない」とため息を漏らす。

球団側も対策に知恵を絞る。昨年も有観客となった場合のシミュレーションを進めていたある球団では、敷地内を動き回る観客の手首にタグをつけてもらい、スマートフォンと連動させた行動把握や、感染者が出た場合の注意喚起などの準備を進める。

それでも球団幹部は「感染拡大防止にどこまで効果的かは分からない」と厳しい表情を崩さない。「有観客で感染者が増えて地元医療を逼迫(ひっぱく)させるようなことになれば本末転倒。現場に委ねず、県やNPBにはしっかりしたガイドラインを示してほしい」と要望した。(プロ野球取材班)