米FRB、利上げ加速も パウエル議長「物価上昇、定着防ぐ」

FRBのパウエル議長=2021年12月、ワシントン(AP=共同)
FRBのパウエル議長=2021年12月、ワシントン(AP=共同)

【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は11日、上院銀行住宅都市委員会で証言し、物価高が持続すれば利上げを加速させる用意があると述べた。現在の物価水準が「目標よりはるかに高い」と述べ、「さらなる物価上昇の定着を防ぐ」と強調。インフレ制御に向けて金融政策の正常化を急ぐ方針を示した。

同委がパウエル氏の再任に関する指名公聴会を開いた。パウエル氏は「インフレが高い水準で想定以上に持続」して「さらに多くの利上げが必要になれば、そうする」と述べた。

FRBは昨年12月、2022年に事実上のゼロ金利政策を解除し、同年中に3回の利上げを実施する見通しを示していた。パウエル氏は、利上げ方針について今月25、26日の連邦公開市場委員会(FOMC)で改めて議論するとした。

また、米景気が「もっとも速いペースで拡大しており、労働市場は力強い」と指摘。利上げなどの引き締めを進めても、景気改善を妨げる懸念は小さいとの認識を示した。

一方、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」について、パウエル氏は、景気が一時的に鈍化する可能性はあるとしながらも、「1カ月以内にピークを迎え、落ち着いていくだろう」と話し、影響は限定的だとの見方を示した。

FRBは、米国債などを買い入れる量的金融緩和策について、終了させる時期を22年3月に前倒しした。FRBのバランスシートは9兆ドル(約1035兆円)規模に達し、「必要な水準をはるかに上回っている」(パウエル氏)として、年内にバランスシートの圧縮に乗り出す可能性も視野に議論するという。

量的緩和を終了すれば、その後のゼロ金利解除の道が開ける。FRB執行部からは、3月のゼロ金利解除を支持するとの声も浮上。金融市場では、年内の利上げが4回に達するとの観測も出ている。