中国の新車販売4年ぶりプラス EVが拡大

昨年4月の上海国際モーターショーで、電気自動車(EV)を展示する中国の「比亜迪(BYD)」のブース(三塚聖平撮影)
昨年4月の上海国際モーターショーで、電気自動車(EV)を展示する中国の「比亜迪(BYD)」のブース(三塚聖平撮影)

【北京=三塚聖平】中国自動車工業協会が12日発表した2021年の中国新車販売台数は、前年比3・8%増の2627万台だった。前年実績を上回るのは17年以来4年ぶり。昨年後半を中心に世界的な半導体不足の影響を受けたものの、新型コロナウイルス流行の直撃を受けた前年の反動効果からプラスを達成した。

中国は、世界最大の自動車市場の座を13年連続で保った。中国政府が普及を後押しする電気自動車(EV)などの「新エネルギー車」の成長も目立った。

21年の内訳では、乗用車は6・5%増の2148万台で、中国市場で人気のスポーツ用多目的車(SUV)などが牽引(けんいん)した。一方、商用車は6・6%減の479万台。不動産開発の冷え込みなどを受けて商用車需要が低迷した。

新エネルギー車は約2・6倍の352万台で、過去最高を更新した。同協会は、EVなどに対する市場ニーズが増していると好調の理由を分析している。

中国政府はEVの販売拡大へ支援姿勢を示している。習近平国家主席が、60年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を打ち出したことが背中を押している。従来のガソリン車では先行する日米欧を完全に逆転するのは難しいが、EVなど新産業への転換を機に形勢逆転を図る思惑もあるとみられる。

日系大手でも、ホンダが30年以降に中国で新たに投入する四輪車は全てEVやハイブリッド車(HV)などの電動車にする計画を表明。トヨタ自動車や日産自動車なども中国でのEVの強化方針を示している。

同協会は先月、22年の新車販売台数は5・4%増の2750万台になるとの予測を示している。新エネルギー車は47%増の500万台になる見通しだ。

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