プロ野球通信

エースナンバー継承、慣例破る登録名 新シーズンへ、注目のルーキー始動

入寮してポーズをとる西武の隅田。財布を忘れるおっちょこちょいぶりでも話題をさらった=5日、埼玉県所沢市
入寮してポーズをとる西武の隅田。財布を忘れるおっちょこちょいぶりでも話題をさらった=5日、埼玉県所沢市

年明けとともにプロ野球の各球団は新シーズンに向けた動きを加速している。ドラフトで指名された新人選手も入寮を終え、練習を開始。背番号や登録名に込められた球団、送り出してくれた人々の期待に応えようと、新人合同自主トレーニングで懸命に汗を流している。

2球団競合でDeNAにドラフト1位入団した小園健太(市和歌山高)は最速152キロと多彩な変化球が持ち味の右腕。昨季、防御率4・15、失点624でともに全12球団ワーストだった投手陣の再建を担う逸材に球団は背番号「18」を託した。

新人合同自主トレでキャッチボールをするDeNAの小園。背番号18を託された=8日、神奈川県横須賀市
新人合同自主トレでキャッチボールをするDeNAの小園。背番号18を託された=8日、神奈川県横須賀市

球界における18番は田中将大(楽天)、菅野智之(巨人)ら各球団の看板投手が付けるエースナンバーで、DeNAでも三浦大輔監督の引退以降、空き番号だった。昨年11月6日の仮契約にサプライズ登場した指揮官はその場で「これから君の番号にしてほしい」と〝継承〟を伝達。小園は「重みは理解している。エースと呼ばれる成績を残したい」と意気込み、今月8日から新人合同自主トレに臨んでいる。

最多4球団競合で西武入りした隅田知一郎(ちひろ)(西日本工大)。昨季42年ぶりのリーグ最下位に終わった屈辱からの脱却を狙う西武は球団の由緒ある背番号を用意した。潮崎哲也、涌井秀章(楽天)、菊池雄星(前マリナーズ)ら名投手が背負った「16」だ。

5日の入寮時には故郷の長崎に財布を置き忘れ、担当スカウトから1万円を借りるアクシデントが発生。おっちょこちょいぶりを発揮し〝借金スタート〟となったが、「(勝ち星で)一つでも貯金を作れる選手になりたい」と1年目からの活躍を誓う。

1桁の背番号はプロで功績を残した選手が担える栄誉だが、ソフトバンクの「1」をいきなり背負うのはドラフト1位、風間球打(きゅうた)(ノースアジア大明桜高)だ。高校野球屈指の右腕は「プロになるとなかなかもらえない番号でやらせてもらう。しっかりと自分の力を出せれば」。昨季、日本一を逃した雪辱へ期待は高い。

巨人にドラフト1位指名された翁田(おうた)大勢(たいせい)(関西国際大)は〝慣例を破る〟入団だ。巨人では日本人選手は名字での登録が原則。かつてサブロー(大村三郎)、カツノリ(野村克則)もその慣例に合わせたが、翁田の登録名は「大勢」になった。きっかけは原辰徳監督の「いい名前だね」という一言。「名前のようにファンを魅了したい」と本人も気合十分だ。

入寮する巨人のドラフト1位の大勢。名字以外での登録は異例だ=7日、川崎市(球団提供)
入寮する巨人のドラフト1位の大勢。名字以外での登録は異例だ=7日、川崎市(球団提供)

昨季20年ぶりに日本一に輝いたヤクルトにドラフト1位で加入する山下輝(ひかる)(法大)は「(同じ左腕投手として西武入りした)隅田とかは意識する。負けたくない」。昨季のセ・リーグ最優秀選手(MVP)に選ばれた村上宗隆とは同学年。「今はレベルが違うところにいる。あのようなレベルに立ちたい」とその目に闘志をたぎらせる。(プロ野球取材班)