THE古墳

被葬者は「太安萬侶」茶畑から掘り出された大発見

右側に「太朝臣安萬侶」、左側に「養老七年十二月十五日」と埋葬日が記された墓誌(奈良県立橿原考古学研究所提供)
右側に「太朝臣安萬侶」、左側に「養老七年十二月十五日」と埋葬日が記された墓誌(奈良県立橿原考古学研究所提供)

発掘調査で被葬者が確定した唯一の墳墓ともいえるのが、太安萬侶(おおのやすまろ)の墓だ。奈良市東部の茶畑で、農家の男性が土を掘り起こしていたところ、偶然発見。被葬者の名が銅板に刻まれた「墓誌」が埋まっていた。連絡を受けた奈良県立橿原考古学研究所が調査し、「太朝臣(おおのあそん)安萬侶」の文字を確認。奈良時代初めに古事記を編纂(へんさん)した安萬侶の墓と分かった。歴史教科書に登場しながら、研究者の間で架空の人物ともいわれたが、一枚の銅板が実在を証明した。

えらいもんが見つかった

発掘を担当したのが、同研究所員だった前園実知雄・奈良芸術短大教授(75)。「あの日のことは今でもはっきり覚えていますよ」

 太安萬侶の墓誌が見つかった茶畑。調査員や地元の人とともに、周囲には掘り起こされた茶の木が積まれていた=昭和54年1月23日
太安萬侶の墓誌が見つかった茶畑。調査員や地元の人とともに、周囲には掘り起こされた茶の木が積まれていた=昭和54年1月23日

昭和54年1月22日夕。法隆寺(奈良県斑鳩町)の発掘現場から研究所(同県橿原市)に戻ると、調査課長だった石野博信さん(88)が深刻そうな表情で、部屋の片隅にある電話の前で座っていた。

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