【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮が11日に日本海に向けて発射した飛翔(ひしょう)体について、韓国軍合同参謀本部は、同日午前7時27分ごろ(日本時間同)、北朝鮮の内陸部から発射されたと明らかにした。韓国軍は、ミサイルは1発で、弾道ミサイルと推定されるとの分析を示した。日米韓当局が詳しい種類の分析を進めている。
複数の日本政府関係者によると、ミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)外の海域に落下したとみられる。
北朝鮮は5日にも内陸部の慈江道(チャガンド)から日本海に弾道ミサイル1発を発射したばかり。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は昨年末の党中央委員会総会で、新兵器開発に拍車を掛けるよう指示しており、年明け早々にミサイル発射を繰り返すことで、軍備増強を加速させる姿勢を行動で示した形だ。
5日のミサイル発射について、北朝鮮は翌日、国営メディアを通じて「極超音速ミサイル」の発射実験に成功したと公表したが、韓国軍は、極超音速兵器の技術に達せず、一般的な弾道ミサイルだったとの見方を示した。
ただ、弾頭部の変則飛行が認められ、北朝鮮が着々とミサイル技術を発展させている可能性が高く、日韓への脅威は日増しに高まっている。