台湾出身男性の日本国籍認めず 日本統治下 地裁請求棄却

東京地裁が入る建物(今野顕撮影)
東京地裁が入る建物(今野顕撮影)

日本統治下の台湾で生まれ育ちながら戦後に日本国籍を喪失したとされるのは不当として、台湾人の男性3人が日本国籍があることの確認を国に求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であり、市原義孝裁判長は請求を棄却した。

日本統治下の台湾人をめぐっては、昭和27年に日本が台湾の領有権を放棄することなどを定めたサンフランシスコ平和条約や日華平和条約が発効したのに伴い、日本国籍を喪失したとされている。原告側は「本人の同意なしに日本国籍を剥奪されたのは違憲」などと主張していた。

判決理由で市原裁判長は、明治28年に調印された日清講和条約により日本国籍を保有することになった台湾人とその子孫について、法令の適用や戸籍の面で日本本土に住む人々とは異なる扱いを受けていたと指摘。「領土の変更に伴う国籍の変動は条約で定められるのが通例で、そうした事態は憲法自体が認めている」として訴えを退けた。

判決後に東京都内で会見した原告の一人で元日本軍属の楊馥成(ようふくせい)さん(99)は「大変に残念な判決。昔の上官、戦友に合わせる顔がない」と述べ、控訴する意向を示した。