大阪府寝屋川市の大阪複十字病院で副院長を務めた60代の男性外科医が、約130通の死亡診断書に医師免許の登録名(本名)と異なる名前で署名していたことが関係者への取材でわかった。医師は病院から譴責(けんせき)の処分を受けて昨年11月、依願退職したという。
関係者によると、外科医は占いをきっかけに本名の漢字の1文字を読み方が同じ別の文字にして平成16年から死亡診断書を作成していた。診断内容に誤りはなかったが、医師法の施行規則では死亡診断書の署名は本名が原則となっている。
外科医は別の病院での約5年間の勤務を経て令和2年7月に同病院に副院長兼外科部長として戻り、昨年6月にスタッフが死亡診断書の署名と本名が異なることに気づいた。
同病院は「厚生労働省などに報告し、処分を行った。医師が死亡診断書に異名を署名するのは想定外だが、今後同じことがないようにしたい」としている。