数字から見えるちば

コロナ禍で変わる食事形態 「中食」が2割増

食事の形態がコロナ禍をきっかけに変化している。

千葉市の世帯当たり食料支出の増減(令和2年)をみると、まず「外食(一般外食)」が前年比16・4%減と大幅に減っていることが目立つ。減少率は全国(同21・8%減)より低位にとどまっているが、その理由としては、都内に比べてビジネス需要のウェイトが小さかったことや、郡部に比べてフードデリバリーサービス(一般外食に含まれる)のウェイトが大きかったことなどが考えられる。ICT総研の調査によると、2年のフードデリバリー市場規模は4960億円と、前年に比べて約2割増えている。

外食需要が縮小する一方で、中食と内食は増えている。中食(弁当や惣菜の購入など)では、惣菜等(他の調理食品)が同26・7%増、弁当・調理パン等(主食的調理食品)が同19・1%増となっており、全国と比較しても増加率は大きい。近年は食材宅配事業者などが健康志向や食の安心安全に配慮したミールキット(他の調理食品に含まれる)の商品開発を進めており、そうしたキットが共働き世帯などに受け入れられたことも寄与しているようだ。

また、内食(家庭内調理)の増加も際立っている。魚介の漬物・缶詰等(他の魚介加工品)やコメ、魚の干物(塩干魚介)など、日持ちする食材の消費が大きく伸びたのが特徴的である。コロナ禍において長期保存できる食品の購入やまとめ買いで、買い物の回数を極力減らそうという消費行動もあるのだろう。

感染が相対的に落ち着いている現在は、外食需要が徐々に持ち直しつつある。だが、そうした循環的な回復の一方で、コロナ禍で構造的な変化も起こっているため、外食需要が完全に新型コロナウイルスの感染拡大前に戻るかは不透明だ。デリバリーサービスの利便性を経験した消費者は、アフターコロナでも一部で利用を続けるとみられるほか、ミールキットの市場規模は共働きが増加する中で6年度には1900億円(3年度比約20%増)に拡大するという予測(日本能率協会総合研究所)もある。

飲食業界では、こうした消費者の価値観の変化に対応できるよう、サービスや品質の見直しを引き続き行っていくことが重要になる。(ちばぎん総研研究員 檀谷清乃)