自宅療養対応で第6波に対峙 オミクロン感染拡大

岸田文雄首相は11日、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染拡大を受け、水際対策の骨格を維持しつつ、国内対応に重点を移す考えを重ねて示した。昨夏の「第5波」で主流だったデルタ株に比べ、オミクロン株は感染力が強い一方、重症化リスクが低い可能性が指摘されている。首相は軽症や無症状の自宅療養者への対応に万全を期して第6波に対峙(たいじ)する考えだ。

「今後の鍵となる在宅・宿泊療養に対応する地域の医療機関数は全国1万6千。計画を3割上回る体制が準備できた」

首相は11日、官邸で記者団にこう強調した。オミクロン株への対応の可否は政権運営にも直結する。政府高官は「厳しい水際対策で時間を稼ぎ、しっかりと医療体制などの整備を進めてきた」と語る。

政府は昨年11月12日、第6波に備えた対策の全体像をまとめた。自宅・宿泊療養者への対応策としては、全国で約1万2千のクリニックなど医療機関と連携し、健康観察・診療体制の構築を目指した。オミクロン株の重症化率が低い可能性が指摘され、自宅療養者が増える事態が想定されると、自治体を通じて呼び掛けを強化し、当初予定を3割上回る約1万6千医療機関の協力を得た。

厚生労働省幹部は「オミクロン株の感染拡大のスピードが速い。自宅療養と飲み薬を上手に使って対応する必要がある」と語る。米メルク製の飲み薬については1万5千の登録医療機関や薬局への配布を急ぎ、すでに2万人分を届けた。ワクチンは重症化が懸念される高齢者への3回目接種のペースを上げる。

自治体や地域の開業医などと連携し、健康観察や入院調整などの保健所の負担も軽減する。準備したことが実際に機能するかの「見える化」も図る。準備状況の自己点検を自治体に求めており、12日に結果を発表する予定だ。(長嶋雅子)