一筆多論

民主化ロシアの苦い味 遠藤良介

クレムリンの大統領執務室でエリツィン大統領と話すユマシェフ大統領府長官(当時、左)=1997年4月(タス=共同)
クレムリンの大統領執務室でエリツィン大統領と話すユマシェフ大統領府長官(当時、左)=1997年4月(タス=共同)

20世紀の世界を米国と二分した超大国ソ連の崩壊から昨年12月で30年が過ぎた。民主主義を掲げた新生ロシアのエリツィン初代大統領は、30年前の1992年1月から「ショック療法」と呼ばれる急進的な市場経済化を行った。この90年代の経済改革があまりにも深い傷をロシアに残し、今日のプーチン大統領による強権統治に道を開いた。

プーチン氏は最近、自身が90年代に「白タク」運転手のアルバイトをしたとテレビ番組で明かしたが、驚くには値しない。当時、幸運にもマイカーを持つ人の多くがそうした。知識人でさえも身の回りの物を街頭で立ち売りし、糊口(ここう)をしのぐことが珍しくなかった。

ショック療法は、国際通貨基金(IMF)や欧米専門家の指導を受けながら、30代半ばのガイダール副首相の陣頭指揮で行われた。エリツィン氏は国民に「1年間の忍耐」を訴え、その後の好転を約束した。

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