イラク国会初招集 シーア派内部の主導権争いで紛糾 政権樹立は難航も

9日、イラクで初招集された国会(AP)
9日、イラクで初招集された国会(AP)

【カイロ=佐藤貴生】イラクで昨年10月の総選挙を受けて国会(定数329)が初招集され、隣国イランに対する姿勢が異なるイスラム教シーア派の政治勢力が、ともに自分たちが最大勢力だと主張して紛糾した。シーア派内部の主導権争いが激化し、政治の安定は見通せない格好だ。

イラクでは年初から、親イランのシーア派民兵組織によるとみられる駐留米軍施設への無人機やロケット弾を使った攻撃が相次いでおり、治安の不安定化も懸念される。

ロイター通信によると、9日に招集された国会では、親イランのシーア派勢力であるマリキ元首相率いる「法治国家連合」と、民兵組織に直属する「征服連合」が連携し、国会内の最大勢力だと主張した。

選管発表の獲得議席数は双方を合わせても50議席にとどまるが、イラクのメディアによると両勢力は計88議席を得たと訴えた。2018年の総選挙から議席を大幅に減らした征服連合とその後ろ盾の民兵組織は、選管の集計に不正があったと批判している。

これに対し、73議席を得たシーア派の有力指導者サドル師の政治組織が、最大勢力は自分たちだと反発した。同師は米、イランなど外国の内政干渉を拒否し、親イランのシーア派勢力とは一線を画している。

サドル師派はスンニ派や少数民族クルド人の政党などと協力して多数派を形成し、親イランのシーア派勢力を連立与党から除外する可能性を示唆している。

イラクではフセイン独裁政権崩壊後、大きな権限がある首相は最大人口のシーア派から、国会議長はスンニ派から、大統領はクルド人から選ばれるのが慣例で、9日の協議では国会議長にスンニ派のハルブシ氏が再任された。

今後、国会で選出される大統領が首相候補を指名するが、シーア派の内部対立で次期政権樹立は難航する可能性がある。