無心の宇良、取り直しで貴景勝を撃破 大相撲初場所

取り直しの一番で、宇良(右)が押し倒しで貴景勝を破る=両国国技館
取り直しの一番で、宇良(右)が押し倒しで貴景勝を破る=両国国技館

大相撲初場所3日目は11日、両国国技館で行われ、宇良が大関貴景勝を押し倒し、初白星を挙げた。

いつも以上に、宇良の一挙手一投足に視線が集まっていた。どんな技を繰り出すか分からない業師であることだけが、その理由ではない。前日の正代戦で後頭部を強打し、ふらついていたからである。慎重な対応が求められる脳振盪(しんとう)。出場が不安視される中、宇良は土俵に立ち、貴景勝を相手に暴れまわった。

突き押しが強烈な大関に対して、うまく右前まわしを引いて懐に潜る。拝むよな格好で前へ出ると、土俵際でもつれて同体取り直しとなった。「そんな何回も相撲を取りたいわけじゃない」。顔をしかめて2度目の勝負。今度は立ち合いで当たりながら右に動いた。土俵際まで走ってしまった貴景勝を勢い良く押し倒した。

取組後は報道陣に相撲の感想や、前日のことを聞かれても「分からない」「覚えてない」と繰り返すばかり。それだけ夢中だったということか。

前頭4枚目だった平成29年名古屋場所、日馬富士から金星を挙げるなど活躍。しかしその後、右膝に大けがを2度も負い、番付は序二段まで落ちた。ようやく復帰を果たし、前頭2枚目と自己最高位を更新した今場所、期するところはあるはずだ。

場所前には29歳になったことに絡み、こんなことを言っていた。「年齢的に開き直れる年齢でもあるかなと思いますね。駄目だったら、もう駄目でいいやって。若い時より思いつめたような気持ちがない。ゆとりができた」。4日目も横綱照ノ富士に思い切り挑戦する。(宝田将志)