政府支援、雇用安定促す コロナ禍 進む経済正常化、制度継続焦点

沖縄など3県に9日から蔓延(まんえん)防止等重点措置が適用され、政府は影響の拡大に応じて追加の経済対策を迫られる可能性がある。2年近く続く新型コロナウイルス禍では、休業手当の補塡(ほてん)や営業時間短縮に応じた飲食店への協力金などが奏功し失業者の大幅な増加に歯止めをかけてきた。ただ、ワクチンの普及で世界的に経済正常化が進む中、こうした支援を今後も継続すべきかが課題になりそうだ。

「不測の事態に対しては、(コロナ予備費を)適時適切に執行し、迅速かつ機動的に対応する」

鈴木俊一財務相は7日の記者会見でこう指摘。病床確保を促す交付金や営業を制限する飲食店向けの協力金など、一般的な感染対策の経費は昨年12月に成立した令和3年度補正予算で既に確保しているとした上で、必要があれば追加対応も躊躇(ちゅうちょ)しない姿勢を示した。

こうした政府の支援策で最も効果があったのが雇用対策だ。企業が従業員に支払う休業手当を国が補塡する雇用調整助成金の特例措置は中小企業3分の2、大企業で2分の1だった助成率を企業規模を問わず最大10割に引き上げた。支給決定額は3年末までで5兆1537億円に達している。

完全失業率はコロナ禍の最悪時(2年10月)でも3・1%にとどまる。リーマン・ショック後(平成21年7月)に5・5%まで悪化したのに比べればうまく押さえ込んだといえる。

また、時短営業や休業要請に応じた飲食店の協力金は中小企業で1日最大10万円、大企業は20万円を支給し、酒販店など取引先企業への支援金も作った。原資の地方創生臨時交付金は計15兆円超を確保している。

東京商工リサーチによると、こうした資金繰り支援策の効果で令和3年1~11月の企業倒産は前年同期比23%減の5526件と半世紀ぶりの低水準になった。

一方、雇調金などの支援策は3月末まで支給が決まっており、オミクロン株の拡大で延長するかが今後の焦点になる。ただ、ワクチン接種や治療薬の開発が進むなどコロナをめぐる状況は昨年と異なる上、「オミクロン株の致死率が昨年のデルタ株より低いなら、経済影響は限定的」(みずほ証券の小林俊介チーフエコノミスト)と指摘される。

手厚い支援を続けると、健全な企業だけでなく補助金頼りの〝ゾンビ企業〟を延命させ、経済の活力をそぐ懸念もある。コロナ後を見据えて経済正常化にどう道筋を付けるかが課題だ。(永田岳彦)