主張

成人の日 学び考え行動する大人に

成人の日を迎えた皆さん、おめでとう。

新型コロナウイルスのオミクロン株の市中感染が急拡大している。蔓(まん)延(えん)防止等重点措置の適用地域では成人式を中止・延期する自治体も相次ぐ。そんな状況で大人の第一歩を踏み出す新成人に、より一層のエールを送りたい。

若者を取り巻く環境は甘くない。総務省によると新成人は120万人で前年比で4万人減、過去最少だ。総人口に占める割合は0・96%と12年連続で1%を下回った。政治に若者の声は反映されにくく、若い世代の政治への無関心も長年いわれてきた。

平成28年に投票年齢が18歳に引き下げられた。昨年10月に行われた衆院選選挙区の抽出調査では、10代の投票率は43・01%と前回(平成29年)の41・51%から1・5ポイント増えた。だが、全体の投票率(55・93%)と比べ、12・92ポイントも低い。選挙は自らの意見を政治に反映できる機会だ。そのためには学び考え、自分の意見をしっかり持たねばならない。

皆さんは時代の転換点に立っている。今年4月から、明治29年の民法制定以来100年以上続いてきた成人の定義が変わり、20歳から18歳へと引き下げられる。

飲酒や喫煙は従来通りだが、携帯電話や部屋の契約をする際に親の同意を得る必要はなくなる。ローンも自分の判断で組めるようになる。

春から新たに大人の仲間入りをする18、19歳にとって、皆さんは最も近い先輩だ。大人になるということは社会の構成員としての責任を担うことで、社会もそう認識する。その自覚を持ち、さらに若い「新成人」の見本となってもらいたい。そのための指針となる言葉を紹介しよう。

一昨年に亡くなった評論家・山崎正和は雑誌「潮」に「令和に生きる日本人へ。」と題する論文を寄せ、混迷の時代を生きる日本人に3つの「遺言」を示した(片山修著『山崎正和の遺言』から)。「過去と歴史の教訓から真(しん)摯(し)に学ぶ」「社交の技術」「読書の大切さ」だ。すなわち、過去から学ぶ視点の重要性、礼節と節度を保ちつつ人と親しく付き合う技術、人類が蓄積した知識と情報から学ぶこと―である。

ハードルは高いがまずはどれか一つから始めてみてはどうか。大人の時間はたっぷりある。