花田紀凱の週刊誌ウォッチング

(855)『文春』と『新潮』、対照的なコロナ報道

岸田文雄首相と面会後、記者団の取材に応じる小池百合子東京都知事=6日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
岸田文雄首相と面会後、記者団の取材に応じる小池百合子東京都知事=6日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

オミクロン株で、またまた「まん延防止措置」。小池百合子東京都知事など「新しいフェーズに入った」とにわかに張り切っている(それにしても、この「まん延」という交ぜ書き、なんとかならないものか。産経だけはちゃんと蔓延)。

2年前からのコロナ禍に関し、『週刊文春』と『週刊新潮』の報道ぶりが全く対照的。

ワイドショーなどと同じく「煽(あお)りに煽ってきた」のが『文春』。典型が「8割おじさん」こと西浦博京大大学院教授の重用だ。一方、『新潮』は一貫して、冷静な報道を続けてきた。

新年最初の今週号も、対照的で、

『文春』(1月13日号)が「検証 オミクロン『1月危機』」。

『新潮』(1月13日迎春増大号)は「感染増でも今年『コロナ』は終息する⁉」。

さすがの『新潮』も「⁉」は取れなかったらしい。

『文春』の取材にオックスフォード大学、構造生物学教授、ジェームズ・ネイスミス氏はこう訴えている。

〈「オミクロン株は肺組織への感染力が弱いという研究もある。しかし、(感染者数が増えれば)非常に多くの症例が重症化する危険性があることに変わりはない。つまり、千人当たりの重症例が四分の一でも、四倍の感染者がいれば、社会にとっては軽症による利益はゼロになる」〉

『新潮』では東大名誉教授で食の安全・安心財団理事長の唐木英明氏が、

〈「南アではあっという間にピークアウトし、死者の増加がなかったと南ア政府が発表し、それを研究者たちも認めています。オミクロン株の実態はインフルエンザに近い」〉

浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫医師。

〈「7、8月までには、新型コロナは外来で対処できる風邪になっていると、私は予想しています」〉

『週刊ポスト』(1・14/21)、新春らしい大特集「2022大予言 これがニッポンの答えだ!」。経済、政治、メディアなど9項目をそれぞれ3人の識者が座談会で「予言」するという豪華版だ。なかでは「外交」をぜひ。

(月刊『Hanada』編集長)