書評

『新歳時記 春 軽装版』平井照敏編

立春(今年は2月4日)が近づく時期に読みたくなる。編者は平成15年に死去した平井照敏(しょうびん)。詩人やフランス文学者、青山学院女子短大名誉教授など多彩な顔を持っていた俳人だ。

ユニークなのは、それぞれの季語の特徴を最もよく表すと思う例句に印を付けた点。例えば季語「立春」では、8つの例句の中から「立春の米こぼれをり葛西橋」(石田波郷)を選んだ。ほかの7句と比べてみると面白い。

初版は平成元年。軽装版で復刊され、春・夏・秋・冬・新年の5冊がある。春ではキリスト教の「復活祭」など幅広い季語を収録した。(河出書房新社・2640円)