春高バレー

勝利手繰り寄せた気迫のブロック 日本航空(山梨)渡辺健(2年)

【第74回春の高校バレー 男子決勝 日本航空(山梨)対鎮西(熊本)】第3セット 得点を奪いガッツポーズを見せる日本航空・渡辺健(左)ら=9日、東京体育館(長尾みなみ撮影)
【第74回春の高校バレー 男子決勝 日本航空(山梨)対鎮西(熊本)】第3セット 得点を奪いガッツポーズを見せる日本航空・渡辺健(左)ら=9日、東京体育館(長尾みなみ撮影)

勝負が決まる最終セット、今大会注目の相手エースの強烈なスパイクに跳んだ渡辺は、見事にその行く手を阻んだ。「止めた瞬間、チーム全体が沸き上がったのがわかった」。勝利を手繰り寄せた気迫のブロックだった。

相手コートにボールが落ちると、全身で喜びを表した。「気持ちを出していくタイプ」を自認し、試合中、苦しい場面では「まだあるよ!」と先輩たちを勇気づけた。

2歳上の兄、琉(りゅう)さんの背中を追って、入学を決めた。同じミドルブロッカーとして活躍し、自身のお手本となる存在だ。

これまで大舞台の経験は少なかったが、春高決勝という大事な場面で起用された。月岡監督は「まっすぐな性格なので、吸収が早い。今大会では、多くのものを得られただろう」と期待を寄せ、自らも「次は自分がチームを引っ張る立場になって、この最高の舞台に帰ってきたい」と意気込む。逆転優勝劇での経験が、渡辺を大きくした。(末崎慎太郎)

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