参院選、1人区カギに 岸田長期政権占う一戦

岸田文雄首相(自民党総裁)にとって、参院選は政権の継続を左右する一戦となる。昨秋の衆院選に続けて勝利すれば長期政権が視野に入るが、敗れて衆参で与野党勢力が逆転する国会のねじれが生じれば、政権運営は行き詰まりかねないためだ。内閣支持率は堅調だが、衆院選の反動や新型コロナウイルスの感染状況といった不確定要素もあり、自民は「厳しい選挙になる」(幹部)とみて候補者擁立作業を急いでいる。

「安定政権があってこそ、難しい課題や重要な課題に結果を出していくことができる。何としても勝たなければならない」

首相は9日放送のBSテレ東番組でこう訴えた。「この選挙に勝つためにも、国民に少しでも政治の前進を実感してもらう取り組みを一つ一つ積み上げていく努力が必要だ」とも語った。

首相は具体的な勝敗ラインには触れなかったが、茂木敏充幹事長は5日の記者会見で、与党で過半数維持とする考えを示した。カギとなるのは、全国に32ある改選数1の「1人区」の勝敗だ。過去にねじれ国会が生じ、重要法案が成立しなくなるなどして政権運営が不安定化した際は、1人区での勝敗が大きく影響していた。

平成19年参院選で、自民は当時29あった1人区で6勝23敗と惨敗し、ねじれ国会が出現。テロ対策特別措置法の延長が見通せなくなり、安倍晋三首相(第1次内閣)は退陣した。22年には当時与党の旧民主党が8勝21敗で敗れて再びねじれが生じ、24年に旧民主政権は3年3カ月で崩壊した。

自民は1人区について、3年前の22勝10敗を上回る結果を収めたい考えだ。ただ、改選対象となる6年前の選挙で野党に敗れた選挙区を中心に、候補者を決定・内定していない1人区が6あり、茂木氏や遠藤利明選対委員長が各地を行脚し、調整を急いでいる。

岸田内閣の支持率は昨年12月の産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査で66・4%だった。支持率を高い水準で維持したまま参院選を迎えたいところだが、新型コロナの新変異株「オミクロン株」の感染が広がる中、「政権がコロナで対応を誤れば参院選に響く」(幹部)と警戒している。

公明党は山口那津男代表が2日の街頭演説で「選挙区7人、比例7人、比例票800万票を目指して戦いに挑んでいく」と訴えた。(原川貴郎)

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