ラグビーのチーム名が長すぎる問題の解決法

「G大阪」と「C大阪」はサッカーJリーグのガンバ大阪とセレッソ大阪の略。では「BL東京」と「BR東京」は…? まだ聞き慣れないこの名前は、8日に開幕したラグビーの新リーグ「リーグワン」のチーム「東芝ブレイブルーパス東京」と「リコーブラックラムズ東京」の略称だ。東京には複数のチームがあるため、Jリーグの場合と同様、地域名に愛称の頭文字を添えた略称となっている。だが、こうした略称が使われる背景には、そもそもチームの正式名称が長すぎる問題がある。

最長はなんと29文字

リーグワンは昨季までのトップリーグ(TL)を刷新して誕生した。構想当初は視野に入れていたプロ化は実現しなかったが、企業色が濃かったTLに比べるとJリーグのように地域密着を強め、各チームは活動拠点となるホストエリアを設定。これに伴い、チームの正式名称は従来の「企業名」と「愛称」に加え、「地域名」を組み合わせたものになった。

当然、チーム名は長くなる。1部所属の12チームで見ると、最も長いのは「NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安」の29文字。他にも「クボタスピアーズ船橋・東京ベイ」や「NTTドコモレッドハリケーンズ大阪」など長々としたチーム名が並ぶ。最短は昨季までのヤマハ発動機の「静岡ブルーレヴズ」の8文字で、Jリーグのチーム名のように企業名を外したためシンプルになった。

他の競技でも

ここまでチーム名が長くなると、なかなかフルネームで呼ぶのは難しい。そこで、新聞やテレビのニュースでは便宜的に略称を用いることになる。

リーグワンでは地域名を略称とし、東京のように同じ地域に複数のチームがある場合は愛称の頭文字を取って添える方式をとるメディアが多い。冒頭に挙げたBL東京やBR東京がその例だ。

もちろん全てがこの方式ではなく、NHKのように「埼玉パナソニックワイルドナイツ」を「埼玉」ではなく「パナソニック」、「NECグリーンロケッツ東葛」を「東葛」ではなく「NEC」と、企業名で呼ぶケースもある。

こうした略称を用いるのはリーグワンに限ったことではない。プロ野球では「阪神タイガース」が「阪神」となるように、企業名で呼ぶことが多い。チーム名が地域名と愛称の組み合わせであるサッカーJリーグであれば「川崎フロンターレ」が「川崎」のように地域名。バスケットボールBリーグもJリーグに準ずる形で「宇都宮ブレックス」は「宇都宮」、「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」は名古屋に複数のチームがあるため「名古屋D」、といった具合だ。

こちらもメディアによっては愛称を略称に使うこともあるし、各チームのサポーターはやはり愛称で呼ぶことが多そうだ。

消えた「神鋼」残った「トヨタ」

ただ、リーグワンの場合、リーグ発足とともに多くのチームが誕生したJリーグやBリーグと違い、チーム名が根付きにくい側面もある。TL時代、さらにはその前の社会人リーグ時代から、企業名で親しまれてきたチームも多いからだ。

代表例が、かつて平尾誠二さんを擁し日本選手権7連覇を飾った神戸製鋼ラグビー部。TL時代は「神戸製鋼コベルコスティーラーズ」が正式名称で、「神戸製鋼」あるいは「神鋼」と呼ばれ親しまれた。

だがリーグワン移行に伴い、事業提携を結んだ神戸市の地域名をチーム名に入れると「神戸」が二重になるため、神戸製鋼グループの統一ブランド名である「コベルコ」は残す一方で企業名の「神戸製鋼」は外し、「コベルコ神戸スティーラーズ」をチーム名とすることを選んだ。「より地域に根差したチームへと生まれ変わ」るための選択だが、なじみのある「神鋼」の呼び名は消えることになった。

対照的なのが、TL時代の「トヨタ自動車ヴェルブリッツ」改め「トヨタヴェルブリッツ」。地域名なら愛知県豊田市の「豊田」になるはずだが、カタカナの「トヨタ」としたことで、「トヨタ自動車」を外しながらも企業名のイメージを色濃く残した。

正式名称は長く、かといって略称も親しみづらい。新たなチームの呼び名が定着するかどうかが、リーグワン浸透のバロメーターの一つにもなりそうだ。