天津市1400万人検査 オミクロン市中感染で

【北京=三塚聖平】中国メディアは9日、感染力が強いとされる新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染者が北京市から近い天津市で2人確認されたと報じた。市中感染とみられ、地元当局は9日朝から約1400万人の全市民を対象にしたPCR検査を実施。2月4日開幕の北京冬季五輪を前に、北京への流入阻止へ警戒を強めている。

2人は過去14日間に天津を離れておらず、感染ルートは不明だという。中国本土ではこれまで海外からの入国者や、その濃厚接触者からオミクロン株が確認されたことはあった。

天津は、五輪開幕を控える首都・北京から高速鉄道で30分の場所にある。天津市トップの李鴻忠(り・こうちゅう)党委書記は9日未明の会議で「迅速、果断な措置をとり、伝染ルートを全力で遮断し、首都の感染を防ぐ『堀』を築け」と指示。北京当局は天津との往来に関する防疫措置を厳格化させた。

習近平政権は、わずかな感染拡大も許さない「ゼロコロナ」政策を続ける。陝西(せんせい)省西安市ではデルタ株の流行でロックダウン(都市封鎖)が半月以上続いており、河南省禹州(うしゅう)市でも感染拡大により移動制限措置が強化されている。

会員限定記事会員サービス詳細