児童書

『フライングメジャー号 世界一周空の旅』コマヤスカン作 緻密な絵で絶景巡る

丸みのあるフォルムが、ぽっかりと空に浮かぶ飛行船は、見ているだけで心が和んでくる。そんな飛行船に乗って地上の様子をうかがいながら世界を一周する旅が、緻密な絵で楽しめる一冊だ。

東京スカイツリーの展望回廊からフライングメジャー号に搭乗し、旅がスタートする。西回りでたどり着いたのは、中国・万里の長城。ちょうど映画の撮影中で、弓や槍(やり)を持った兵士たちが戦闘を繰り広げており、まるで鳥になって古代の戦を眺めているようだ。

インドでは白亜のタージ・マハルを間近に眺め、タンザニアのセレンゲティ国立公園では、飛行船から下りてシマウマやゾウと戯れるひとときを過ごす。

順調に進んだ旅の終盤、一行は小笠原諸島の上空で台風に巻き込まれる。なんとか抜けた先に、澄んだ青空にそびえる富士山が見えてくる。

新型コロナウイルス禍で海外はおろか国内旅行もはばかられる中、新春から世界一周のワクワク感を存分に味わえる。(講談社・1650円)

横山由紀子