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菅田将暉、「感情のない議論」に挑む

菅田将暉 撮影・納冨康
菅田将暉 撮影・納冨康

ミステリーと会話劇を組み合わせ、「新感覚のミステリー」と話題になった人気漫画「ミステリと言う勿(なか)れ」が、満を持してのドラマ化だ。アフロヘアーの主人公、久能整(ととのう)を演じるのはドラマに映画に音楽に…と多方面で活躍する若手スター。原作者の田村由美さんも「こんな幸せなことがあっていいんだろうか」と納得の主演である。

「バンバン主演張ってる(共演の)先輩たちがガンガン集まってくださって、バチバチに(演技を)やれました。エンターテインメントとしてもミステリーとしても痛快だし、爽快なドラマです」

近所で殺人事件があり、大学生である整の元に、ある日刑事が訪れたことから物語は始まる。警察で事情聴取を受けるが、膨大な知識と独自の価値観を持つ整の話は脱線しがち。<僕は常々思ってるんですけど…>。こうマイペースに語り始める整は警察の矛盾点を的確に突き、事件の謎も人の心も解きほぐしていく。

「主人公の整くんは『君が犯人だ』と決めつけるのではなく、他者の心に寄り添い(真実を)探していく。そして、物事が最悪になる一歩手前で止まる。その感じが何だか心地良いんです」

この会話劇が魅力的だ。文化や哲学など話題は多岐に及び、整が淡々と開陳する独特の価値観にはハッとさせられる。ただし、会話劇で事件が解決していくという、いわば〝感情のない議論〟の演技は「本当に難しかった」という。

「感情を使った議論の方が人間は得意だしやりやすい。でも、感情を使わずにどれだけ議論ができるかというのがこの作品のテーマ。演じ方でも、本当に自分が考えながらしゃべらないといけない」

撮影は昨年4月期のドラマ「コントが始まる」に先立って行われた。同作では感情をむき出しにした演技を披露していただけに、役者としての変幻自在ぶりに恐れ入る。昨年も主演作多数。「コロナ禍もあり、ライフワークというものをちゃんと選んで確立させていかなきゃな、と考えた1年だった」と振り返る。

印象的なアフロヘアーは地毛で臨んだという。「単純にファッションとしてやりたかった。ただ、僕は地毛がストレート。1週間で根元が沈んでゴワゴワ感や体積が減り、維持するのが大変でした。次やるとしたらたぶんカツラですね…」

華も実力も愛嬌(あいきょう)も兼ね備えた「カメレオン俳優」が座長を務める令和4年最初の「月9」。見逃せない。(本間英士)

すだ・まさき 平成5年生まれ。大阪府出身。21年、「仮面ライダーW」(テレ朝)でデビュー。「3年A組-今から皆さんは、人質です-」「コントが始まる」(いずれも日テレ)や映画「糸」など主演作多数。令和元年、NHK紅白歌合戦に出場。9日開始のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では源義経役を演じる。最近の趣味は油絵で、「毎日少しずつ色を足しながら完成させていくのが楽しい」。

新番組「ミステリと言う勿れ」はフジテレビ、月曜午後9時。