春高バレー

日本航空、コンビバレーで総体王者を撃破

【第74回春の高校バレー 男子決勝 日本航空(山梨)対鎮西(熊本)】第4セット 得点し、喜び合う日本航空の前嶋悠仁(1)と選手ら=9日、東京体育館(鴨志田拓海撮影)
【第74回春の高校バレー 男子決勝 日本航空(山梨)対鎮西(熊本)】第4セット 得点し、喜び合う日本航空の前嶋悠仁(1)と選手ら=9日、東京体育館(鴨志田拓海撮影)

「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第74回全日本バレーボール高等学校選手権大会(産経新聞社など主催)は9日、東京都渋谷区の東京体育館で5セットマッチ(3セット先取)の決勝を行い、男子は日本航空(山梨)が鎮西(熊本)を3-2で退け、初優勝を飾った。

新王者の雄たけびが会場に響き渡った。ノーシードから勝ち上がった日本航空が、昨夏の高校総体覇者を破って初優勝。就任24年目で悲願を成し遂げた月岡裕二監督は、「選手の成長した姿を見られて感無量」と瞳をうるませた。

大エース舛本颯真(2年)擁する鎮西に全員で立ち向かった。2セットを落とし、後がない第3セット。決定率の高いエース前嶋悠仁(3年)に、相手ブロックが寄っていることをセッター樋口響(3年)は見逃さなかった。利川慈苑(3年)と渡辺健(2年)のセンター陣にボールを集めて、形勢逆転。2セットを奪い返した。

前嶋頼みだった前回大会は3回戦で敗れた。樋口は「1年間、前嶋に頼らないバレーを作ってきた」と胸を張る。自慢のコンビバレーでかき乱した分、最終セットは「相手のブロックが崩れていた。打ち込めると思った」と前嶋。最後はエースの強烈なスパイクが決まり、大逆転で頂点に立った。

新型コロナウイルスの校内クラスターの影響で、昨夏の高校総体県予選を辞退した。直前の関東大会を制し、期するものもあっただけに「何も考えられなかった」と前嶋。その分、悔しさを練習にぶつけた。夏場は、例年の4倍近い200セットの練習試合を強豪校とこなし、精度の高い攻撃を作り上げてきた。

国体も中止になった。1回のチャンスをつかみ、この日38得点を挙げた前嶋は「春高は絶対勝ってやるんだという気持ちでやってきた。うれしい」と笑った。涙の夏を乗り越えた先に、最高の結末が待っていた。(川峯千尋)