「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われるバレーボールの第74回全日本高校選手権(産経新聞社など主催)は8日、東京体育館で準決勝が行われ、男子は日本航空(山梨)が雄物川(秋田)にストレート勝ちした。
日本航空が止まらない。準々決勝で前回王者の東福岡を破った勢いに乗って、雄物川を圧倒。初めて立った準決勝からのセンターコートでも伸び伸びとプレーした。月岡裕二監督は「全員が持ち味を発揮してくれた」と目尻を下げた。
多彩な攻撃で翻弄した。小林柊司(とうじ)(3年)は強打を決め、利川慈苑(じあん)(3年)は速攻を相手コートに突き刺した。要所ではエースの前嶋悠仁(ゆうと)(3年)が硬軟織り交ぜたプレーで巧みに得点を重ねた。アタックでは前嶋が15点、小林が11点、利川が8点。バランスよくボールを散らし、試合の主導権を握り続けた。
新型コロナウイルスの校内クラスターの影響で、昨夏の高校総体は県予選を辞退した。決勝で総体覇者の鎮西とぶつかる。「王者にどのくらいのプレーができるのか。楽しみ」と前嶋。失意の夏から磨き上げた粘りのバレーで、初優勝をつかみ取る。(川峯千尋)