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スポーツ観戦三昧、消化不良の正月

令和2年元日の天皇杯全日本選手権決勝で勝利し、初タイトルを喜ぶヴィッセル神戸の選手ら=令和2年1月1日、国立競技場(撮影・中井誠)
令和2年元日の天皇杯全日本選手権決勝で勝利し、初タイトルを喜ぶヴィッセル神戸の選手ら=令和2年1月1日、国立競技場(撮影・中井誠)

新しい年が明けたことを実感できる「風物詩」といえば、何だろう。もちろん、人それぞれに感じる対象は異なると思うが、個人的には、元日に国立競技場で開催されてきたサッカー天皇杯全日本選手権の決勝だった。

平成15年の元日は、京都サンガがJリーグ発足後初めて関西にタイトルをもたらした場面を目の当たりにした。21、22年はガンバ大阪が連覇を達成。令和2年には、新しくなった国立競技場でヴィッセル神戸が悲願の初優勝を果たした。現地で取材したいずれの試合も、選手たちのプレーぶりを鮮明に覚えている。

共通していることもある。普段とは一線を画した、すがすがしく引き締まった雰囲気に包まれた国立競技場。よそ行きの晴れ着を身にまとった観客も、どこか浮き浮きとしている。高揚感は報道陣にも伝わり、毎回のように、なんだか、そわそわしながら取材を進めることになる。

ところが、今年の元日に天皇杯全日本選手権の決勝は行われなかった。ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選の日程を考慮し、昨年12月19日に繰り上げられたからである。ちなみに、次回の天皇杯全日本選手権の決勝は今年11~12月に開催されるW杯カタール大会本番の影響で日程がさらに繰り上がり、10月16日に開かれる。

日本代表のスケジュールを最優先に考えれば仕方がないのかもしれないが、なんだかなあ-である。元日に天皇杯全日本選手権の決勝を取材し、2~3日は東京箱根間往復大学駅伝をテレビ観戦する。そんなルーチンが崩れると、1年のサイクルがうまく回り始めない気がしてならない。

さらに言えば、3日に行われたアメリカンフットボールの日本選手権「ライスボウル」は社会人同士の対戦となり、大学生が社会人にぶつかる醍醐味(だいごみ)がなくなった。近年は実力差が開いていたことを考えると、やむを得ないとも思うが、盛り上がりに欠けた感は否めない。新年はスポーツ観戦三昧(ざんまい)-。そんな人間にとっては、消化不良の正月だった。(信)