米国務長官「非常に重大な結果」 ウクライナめぐりロシアに警告

【ワシントン=渡辺浩生】ブリンケン米国務長官は7日、緊迫するウクライナ情勢をめぐり国務省で記者会見し、同国の国境付近に大規模部隊を展開するロシアがウクライナに侵攻した際には「非常に重い結果を伴う」と述べ、「これまで使われたことのない」対抗措置をとると警告した。

週明け10日から予定される米露間の戦略安定対話、北大西洋条約機構(NATO)の対露協議、欧州安全保障協力機構(OSCE)の協議を控え、外交による緊張緩和を改めて迫った。

同長官は、国境付近に展開する露軍部隊が現時点で10万人近くとし、「その数の2倍を非常に短期間で動員する計画」があると指摘。プーチン政権はこうした軍事行動を正当化させるため、ウクライナやNATOが「ロシアを脅かしている」などという偽情報を広げていると批判した。

長官は「外交的な解決はまだ可能であり望ましい」としつつ、ロシアのウクライナ侵攻に備え、先進7カ国(G7)、欧州連合(EU)やNATOとともに、①金融・経済的手段②NATOの防衛態勢強化③ウクライナの自衛支援の継続-を検討中だと強調した。

長官は一方、露政府が「旧ソ連の支配下にあった諸国に広がる勢力圏の構築を試みている」と牽制(けんせい)。中央アジアの旧ソ連構成国、カザフスタンで抗議デモが暴動に発展し、露主導の治安維持部隊派遣が決まったことについて、「懸念しつつ状況を注視している」と述べ、平和的デモ参加者の人権擁護を強く求めた。

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