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『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』 「多様性」なぜ必要かを解明

『多様性の科学』
『多様性の科学』

『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』マシュー・サイド著(ディスカヴァー・トゥエンティワン・2200円)

社会のあらゆるところで「多様性」が叫ばれる中、なぜ多様性が必要なのかを解き明かした本書。著者は、英オックスフォード大を首席で卒業後、卓球選手としてオリンピックに2度出場したこともある異才のジャーナリストで、22カ国で刊行された前著『失敗の科学』は日本でも5万部超のベストセラーとなった。本書も発売半年で6刷2万5000部と好調だ。

9・11のテロを防げなかった米中央情報局(CIA)、1980年代末に悪名高き「人頭税」導入を決定した英政府、1996年のエベレスト大量遭難を引き起こした登山隊…。著者はこれらのケースが起きた背景に多様性の欠如があると指摘、組織や社会の今後の繁栄はいかに多様性をうまく活用できるかにかかっていると説く。

中でも、多様性と一見関係がないように思われるダイエットの話は衝撃的だ。いろいろなダイエット法を試しても失敗ばかりという人は、本書を読んでその理由を確認するといい。

読者の7~8割は男性だが、なかなか多様性が進まないゆえに活躍の場を奪われている女性にこそ読んでほしい本だ。(平沢裕子)