深層リポート

新潟発 ドライバーを大雪から守れ 関越道2100台立往生の教訓

大雪で、関越自動車道の大和パーキングエリア付近で立ち往生している車の列。下り線は除雪車や自衛隊の車両が往来していた=令和2年12月18日、新潟県南魚沼市(萩原悠久人撮影)
大雪で、関越自動車道の大和パーキングエリア付近で立ち往生している車の列。下り線は除雪車や自衛隊の車両が往来していた=令和2年12月18日、新潟県南魚沼市(萩原悠久人撮影)

関越自動車で令和2年12月、未曽有の大雪で計約2100台の車両が立ち往生してから1年余が経過した。新潟地方気象台の3カ月(12~2月)予報では、新潟県を含む北陸地方の降雪量はこの冬もラニーニャ現象の影響で平年並みか多い見込みで、気が抜けない日が続く。あの立ち往生からどのような教訓を得て、何が強化されたのか。東日本高速道路(NEXCO東日本)新潟支社の久保竜志道路事業部長に聞いた。

集中降雪と準備不足

関越道の新潟県南部の上下線で一昨年12月16日夕から深夜にかけ、大型トラックのスタック(タイヤが雪にはまって空転し動けなくなる現象)が発生した。これをきっかけに、上りの塩沢石打(南魚沼市)~小出(魚沼市)インターチェンジ(IC)間で約1750台、下りの湯沢(湯沢町)~月夜野(群馬県みなかみ町)IC間で約350台が立ち往生した。解消は2日後の18日午後10時すぎだった。

原因について、同社の久保氏は「雪が降り始めて間もない段階で予報を上回る集中降雪に見舞われたうえ、当社の事前準備が十分でなく、初動段階での現地の状況把握ができていなかった」と説明。さらに「高速道路を止めないという意識が強く働き、通行止めの判断が遅れてしまった」という。

こうした経験から得た教訓は「冬期の道路確保に対する考え方を改める必要がある」(久保氏)だった。

考え方を大転換

同社や国道を管理する国土交通省北陸地方整備局などは雪氷などの専門家で構成する「関越道 集中降雪に関する対応検討会」を昨年1月に設立し、大雪時の対応を議論した。その結果、従来の「大雪時は道路をできるだけ通行止めにしない」という考え方を転換し、「人命を最優先に、幹線道路上での大規模な車両滞留を徹底的に回避する」ことを基本方針に据えた。

この基本方針に沿って同社は今冬、立ち往生対策を強化した。その一つは情報発信の強化。テレビやラジオで不要不急の外出を控えるよう呼び掛けるとともに、ツイッターやLINE公式アカウントを通じて降雪予報や通行止めの情報などを早めに発信する。これによりドライバーに行動変容を促し、立ち往生リスクの低減を狙う。