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露、カザフ介入で存在感強化 「平和維持部隊」要請の数時間後に派遣

7日、カザフスタンの空港で、平和維持部隊として派遣され、軍用機から降りるロシア軍兵士(ロイター)
7日、カザフスタンの空港で、平和維持部隊として派遣され、軍用機から降りるロシア軍兵士(ロイター)

【モスクワ=小野田雄一】中央アジアの旧ソ連構成国、カザフスタンで起きたデモで、ロシア主導の「集団安全保障条約機構」(CSTO)はカザフの要請に応じる形で平和維持部隊の派遣を決めた。同部隊が演習ではない実際の任務を遂行するのは初めて。旧ソ連圏の「盟主」を自任するロシアはカザフ情勢に介入し、デモによる政権転覆を阻止すると同時に、「裏庭」とみなす中央アジアで影響力を強める思惑だ。

CSTOはロシアとカザフ、ベラルーシ、タジキスタン、キルギス、アルメニアの6カ国からなる軍事同盟。当初の派遣は計2500人規模で、主体はロシア軍が担う。政府施設やインフラの保護を任務とし、デモの鎮圧には参加しない。派遣は情勢安定化までの一時的なものだとしている。

カザフのトカエフ大統領は5日夜、「外国で訓練されたテロ集団」が破壊工作をしていると主張し、CSTOに介入を要請。CSTOは数時間後に部隊派遣を発表した。6日には先遣部隊が活動を開始している。

ロシア外務省も6日の声明で、デモを「外国から触発された武力による国の安全と一体性を損なわせる試み」だと評価した。

今回注目されるのは、部隊派遣の迅速さだ。2010年のキルギス政変の際、CSTOはキルギス側が要請した部隊派遣を拒否。20年のベラルーシでの反政権デモや、アルメニアとアゼルバイジャン間の紛争に際しても、CSTO部隊の派遣には至らなかった。

今回の部隊派遣の背後には、プーチン露政権の複数の思惑があるとみられる。

第1は、勢力圏とみなす中央アジアの大国カザフで友好関係にある現政権がデモで崩壊し、親欧米政権が樹立される事態を防ぐことだ。燃料値上げに端を発した今回のデモが反政権デモに発展した背景には、長年の権威主義体制への不満がある。同様の不満は他の中央アジア諸国にも存在する。ロシアは、親露派政権がデモで倒された14年のウクライナ政変が中央アジアで再現され、ひいては自国内の反政権機運が刺激される事態を警戒している。

第2は、ロシアのプレゼンス(存在感)を旧ソ連圏に示すことだ。中央アジアでは近年、巨大経済圏構想「一帯一路」を進める中国や、民族や言語が近いトルコが影響力を拡大し、ロシアの地位は揺らいできた。CSTO部隊の受け入れにより、カザフでロシアの発言力が強まるのは確実だ。

一方、介入のリスクを指摘する声もある。露紙「モスクワ・タイムズ」(電子版)は6日、「ジョージア(グルジア)やウクライナのように、旧ソ連諸国へのロシアの介入は親露国を急速に反露国に変えた。カザフでも(政権側を支援する)ロシアへの反感が強まる可能性がある」とするコルトゥノフ露国際問題評議会会長の見解を伝えた。

露外交評論家のバウノフ氏も自身のツイッターで「ロシアは今や、ウクライナとカザフという二正面に注意を割かざるを得なくなった」と書き込んだ。