オミクロン株「軽症ウイルスと分類せず」 WHO事務局長

WHOのテドロス事務局長(AP)
WHOのテドロス事務局長(AP)

世界保健機関(WHO、本部ジュネーブ)のテドロス事務局長は6日の記者会見で、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」について「特にワクチン接種者に対しては、デルタ株に比べて重症化しにくいようだ」とした上で「軽症(のウイルス)と分類するべきではない」と警告した。新たな変異株の出現も懸念される中、感染対策を徹底するよう呼びかけた。

WHOの2日付集計によると、過去1週間の新型コロナの新規感染者数は950万人以上で過去最多を更新した。感染力が強いオミクロン株の流行や年末年始で人の交流が活発になったことが要因とみられる。

テドロス氏は会見で「津波のような(圧倒的な多さの)感染例が世界中で医療機関を逼迫(ひっぱく)させている」と指摘。オミクロン株の症状は比較的軽いとの見方もあるが、テドロス氏は「オミクロン株は従来の変異株と同様に入院患者や死者を出している」と強調した。

テドロス氏は「ワクチンは(新型コロナの)入院患者や死者数を減らすことには非常に有効だ」とし、先進国と途上国のワクチン格差を解消するよう訴えた。 テドロス氏によると、WHOは今年前半までに全ての国で人口7割の接種完了を目指すが、現行ペースでは109カ国が達成できない見込みという。

WHO技術担当責任者のバンケルコフ氏も6日の会見で「残念ながら、オミクロン株が最後の変異株ではないと思う」と分析し、感染予防のためワクチン接種を進めるよう求めた。

一方、WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は同日の会見で、開幕まで1カ月を切った北京冬季五輪について「今後も状況を見守る」とした上で「(中国の感染防止策は)非常に厳格で、現段階で開催によって危険性が特段増大するとはみていない」と述べた。

WHOは五輪の開催の是非を判断する権限はないが、国際オリンピック委員会(IOC)などに助言している。(ロンドン 板東和正)