敵基地攻撃、日米同盟で「最適化」 2プラス2

テレビ会議方式で開催された日米2プラス2に参加する林外相(左)と岸防衛相=7日午前、外務省(同省提供)
テレビ会議方式で開催された日米2プラス2に参加する林外相(左)と岸防衛相=7日午前、外務省(同省提供)

政府は7日の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、敵基地攻撃能力を念頭に「ミサイルの脅威に対抗するための能力」について、あらゆる選択肢を検討する方針を米側に伝えた。ただ、敵基地攻撃能力の保有は米軍が攻撃、自衛隊が防御を担ってきた日米同盟の役割分担に見直しを迫るもので、米側との調整が不可欠となる。政府は年末の国家安全保障戦略など戦略3文書の改定に向け、米側との協議を加速化させる方針だ。

「日本の安全保障政策にとって今年は戦略文書の策定が本格化する非常に重要な1年となる。日米2プラス2でスタートできるのは大変時宜にかなったことだ」

林芳正外相は会合でこう述べ、戦略3文書を改定する上で米側との協議が重要との認識を強調した。7日に発表した共同文書では日米間で「役割・任務・能力(RMC)」をめぐる協議が進んでいることを確認しており、その成果がまとまった形で反映されるのが戦略3文書となる。

RMC協議は日米の実務者を中心に行われる。関係者によると、ミサイル防衛、戦闘機や水上艦の戦力バランスなどテーマごとに担当者が集まり、日米が直面する脅威を踏まえて役割分担や必要な装備について認識のすり合わせを行っているという。

岸田文雄首相は昨年10月に敵基地攻撃能力の保有を含めて検討する考えを表明した。2プラス2では、ミサイルの脅威への対抗手段としてあらゆる選択肢を検討する作業で日米が「緊密に連携」することを確認しており、RMC協議でも議題となる。

ただ、一口に敵基地攻撃能力と言っても、仮想敵国や日米間の役割分担がはっきりしなければ具体的な装備を確定できない。例えば、ピンポイントで北朝鮮のミサイルを攻撃するのか、中国のレーダーや物資集積施設をたたくのか、滑走路や地中深くの司令部を機能不全に陥らせることを狙うのかによって、保有すべき装備も変わるからだ。

オースティン米国防長官は7日の会合で、日本の能力強化を反映した役割・任務に関する枠組み設定に意欲を示すとともに「同盟の戦力態勢を最適化する」とも述べた。今回の2プラス2は、日本が敵基地攻撃能力を保有する場合、日米同盟の中で「最適化」する形となることを確認する場となった。(杉本康士)