仏大統領、反ワクチン派「敵視」発言 接種者増の効果も

ワクチンの入った容器を手にするマクロン仏大統領(ロイター)
ワクチンの入った容器を手にするマクロン仏大統領(ロイター)

フランスのマクロン大統領が新型コロナウイルスのワクチン接種を促すため、5日付パリジャン紙で「接種拒否者をウンザリさせてやりたい」と述べた。国民の一部を敵視するような発言に衝撃が広がる中、政府はワクチン接種者が記録的に増加したとして、大統領発言の効果を強調している。

マクロン氏はワクチン接種拒否者について、「一部の少数派が逆らっている。彼らを減らすには、もっとウンザリさせることだ」と主張。政府が成立を目指すワクチン法案には、社会生活を難しくすることで接種に追い込む狙いがあると説明した。法案は、飲食店や長距離列車で接種証明の提示を義務付けている。

下院では「大統領が国民を分断してよいのか」と野党から批判が上がり、法案審議が紛糾。世論調査では、53%がマクロン氏の発言に「ショックを受けた」と答えた。一方、ベラン保健相は5日夜に下院で、「最初のワクチン接種を決めた人が、今日だけで6万6000人にのぼった。この調子で70~75日間続けば、国民全員を重症化から守れる」と訴えた。

フランスで、2度の接種を完了した人は国民の77%で、頭打ちになっていた。仏紙ルモンドは、政府の接種拡大の努力を評価する一方、大統領の手法には「攻撃的な態度で、ポピュリズム(大衆迎合主義)に飛びついた」と疑問視した。仏政府の6日の発表によると、1日当たりの新規感染者は26万人で、高水準が続いている。(パリ 三井美奈)