感染拡大に懸念 科学踏まえた冷静さを求める声も

昨年10月、4回目の緊急事態宣言が解除され、にぎわう京都・嵐山(渡辺恭晃撮影)
昨年10月、4回目の緊急事態宣言が解除され、にぎわう京都・嵐山(渡辺恭晃撮影)

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大に、関西の小売りや飲食、宿泊業界も警戒を強めている。蔓延防止等重点措置の適用が大都市圏にも広がり、行動抑制が求められるようになれば、売り上げが打撃を受けかねないからだ。有識者からは「消費活動の停滞は経済のリスク要因。科学的な知見に基づいた冷静な対応が必要だ」との指摘も出ている。

阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングの広報担当者は「24時間換気や(換気状況が分かる)二酸化炭素センサーの数値チェックを定期的に行うなど対策を強化している」と説明。傘下百貨店で昨夏にクラスター(感染者集団)が発生した経緯があるだけに感染状況を注視している。

高島屋大阪店(大阪市)は前年比4割以上に増加した初売りの売上高と入店客数を喜びつつ、全国的な感染拡大に「今後どうなるか見通せない」と不安を隠さない。

シンクタンクなどの試算によると、令和3、4年度の関西の実質域内総生産(GRP)は、2%台半ばから3%程度のプラス成長が見込まれる。牽引役とみられるのは個人消費の回復。大阪府などに重点措置が適用されれば、消費が冷え込み、経済を減速させかねない。

ホテルグランヴィア大阪(同市)は大阪など大都市も重点措置の対象になれば、「宿泊や飲食利用に少なからず影響が出る。企業の会食が延期や中止となる可能性はある」と不安を募らせている。

アジア太平洋研究所の稲田義久研究統括は、オミクロン急拡大は「消費が弱まるリスク要因」としつつ、「会食時のマスク着用徹底や二酸化炭素濃度のチェックなど科学的な感染症対策の知見が積み重ねられている」と指摘。オミクロン株流行下でも、これまでの緊急事態宣言時のような大幅な規制は避けられると予測する。

その上で「行政は過剰に民意に反応するのではなく、(これまでの重点措置が効果があったか検証した上で動くなど)科学に基づく合理的な対応が必要だ」と訴えている。


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