プレビュー

「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」ほか3本

映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」 ©2021 CTMG. ©&™2021 MARVEL. All Rights Reserved.
映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」 ©2021 CTMG. ©&™2021 MARVEL. All Rights Reserved.

公開中の作品から、文化部映画担当の編集委員がピックアップした「プレビュー」をお届けします。上映予定は予告なく変更される場合があります。最新の上映予定は各映画館にお問い合わせください。

「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」

監督のジョン・ワッツがトム・ホランドを主演に撮ったスパイダーマンの3部作が、ついに完結だ。

抜群に面白いヒーローアクション。だが、それ以上にこの米映画がすばらしいのは、これがビルドゥングスロマンになっている点だ。つまり、ホランド演じる主人公の高校生、ピーター・パーカーが友情を育み、恋に落ち、やがて大人になる人間形成の過程を丁寧に描いた成長譚なのだ。それこそが、この映画の本質だろう。だから、年齢を問わずに楽しめる。

パーカーの周りには、彼を導く、しっかりとした大人たちもいる。日本の「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」もそうだった。彼らはパーカーに「力ある者は相応の責任を負う」「許し、再起の機会を与えよ」と教える。

失敗を繰り返すパーカーだが、この3作目で大人になる日を迎える。「家には帰れない」という副題の意味は深い。大人になるとは、すなわち痛みと孤独を知ることだからだ。走り去る青春を呼び止めることは、誰にもできない。

7日から東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田などで全国公開。2時間28分。(健)


「こんにちは、私のお母さん」

 「こんにちは、私のお母さん」の一場面 ©2021 BEIJING JINGXI CULTURE & TOURISM CO., LTD. All rights reserved.
「こんにちは、私のお母さん」の一場面 ©2021 BEIJING JINGXI CULTURE & TOURISM CO., LTD. All rights reserved.

明るく健康だけが取りえの高校生、ジア・シャオリン(ジア・リン)は最愛の母に心配ばかりかけてきた。ある日、交通事故で意識不明になった母を見て泣き続けるうちに、1981年にタイムスリップ。独身時代の母(チャン・シャオフェイ)と〝再会〟したジアは親孝行しようと奮起するが…。

動員数1億2千万人を超えた中国映画。主演のリンが亡き母との実話をベースに監督・脚本も手掛けた。80年代の中国の地方都市が舞台になっており、まだ経済的に発展する前の様子が描かれ興味深い。

7日から東京・TOHOシネマズシャンテ、大阪ステーションシティシネマなどで全国順次公開。2時間8分。(啓)


「マークスマン」

映画「マークスマン」 ©2020 AZIL Films, LLC. All Rights Reserved.
映画「マークスマン」 ©2020 AZIL Films, LLC. All Rights Reserved.

前作「アイス・ロード」の日本公開(昨年11月)に際して行ったインタビューで、「漫画のスーパーヒーローではなく、生身の人間が困難に立ち向かう姿を描くことは意義深い」と持論を語ったリーアム・ニーソン主演の新作。今回は元海兵隊員の狙撃手を演じ、麻薬密売組織の魔手から少年を守る。米映画。

アメリカン・ニューシネマっぽさもありハードボイルドでもあるが、ぬくもりが感じられるのはリーアムの人柄の表れか。老兵と少年の道中記。来週公開のクリント・イーストウッドの新作と見比べるのも一興。

7日から東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズなんばなどで全国公開。1時間48分。(健)


「ユンヒへ」

映画「ユンヒへ」の一場面 ©2019 FILM RUN and LITTLE BIG PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
映画「ユンヒへ」の一場面 ©2019 FILM RUN and LITTLE BIG PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

韓国の地方都市で暮らすシングルマザーのユンヒ(キム・ヒエ)の元に長い間、音信不通だった友人から一通の手紙が届く。母の手紙を盗み見てしまった高校生の娘は差出人の日本人女性、ジュン(中村優子)に会わせようと決心。娘に強引に誘われる形で、ジュンが住む北海道・小樽へ旅立つことに…。

2人の女性が心の奥に封じ込めた切ない恋心。韓国映画としては珍しく同性愛を正面から扱った作品。監督・脚本を手掛けたのはイム・デヒョン。韓国のアカデミー賞ともいえる青龍映画賞で最優秀監督賞と脚本賞をダブル受賞。

7日から東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋などで全国順次公開。1時間45分。(啓)