鬼筆のスポ魂

巨人の新助っ人ポランコ、活躍の鍵は監督の「我慢」  植村徹也

クライマックスシリーズで采配をふるの巨人・原辰徳監督。新助っ人外国人の活躍の鍵は監督の「我慢」にかかっている
クライマックスシリーズで采配をふるの巨人・原辰徳監督。新助っ人外国人の活躍の鍵は監督の「我慢」にかかっている

補強の結末が成功か失敗か…分岐点は監督の〝我慢〟の二文字かもしれない。

新年早々、巨人がメジャー通算96本塁打を誇るグレゴリー・ポランコ外野手(30=前ブルージェイズ)の獲得を発表した。すでに独立リーグ2年連続MVPのアダム・ウォーカー外野手(30=前米独立リーグ)、メジャー通算28勝のマット・アンドリュース投手(32=前マリナーズ)の獲得を発表。さらにマイナークラスの外国人選手の獲得調査が進行中で、新外国人選手を続々と加入させる。

今季、日本にやってくる新外国人選手は巨人以外にも多くいる。鈴木誠也外野手(27)がポスティングシステムを利用して大リーグに挑戦する広島は、後釜の4番としてライアン・マクブルーム内野手(29=前ロイヤルズ)を獲得。昨季、3Aオハマで115試合に出場し打率2割6分1厘、32本塁打、88打点を記録。日本の国内5球団が激しく競り合った末に広島が射止めた。「ポスト誠也」の期待は大きい。

新庄剛志監督(49)誕生の日本ハムも4番候補としてレナート・ヌニエス内野手(27=前ブリュワーズ3A)を獲得。アリスメニディ・アルカンタラ内野手(30=前ジャイアンツ)も獲った。

今更だが、新外国人選手が戦力になるのか、ならないのか…。「当たり」なのか「外れ」なのかでチームの成績は左右する。昨季、前年の最下位からセ・リーグを制覇、日本一に輝いたヤクルトがいい例だ。新外国人選手として加入したオスナが120試合出場で打率2割5分8厘、13本塁打の60打点。同じく新加入のサンタナが116試合に出場、打率2割9分、19本塁打、62打点。2人が打線に加わったことで3番山田、4番村上の脅威が増幅された。3月25日に開幕を迎える今季も新外国人選手の成否がペナントの行方を大きく左右する。

では、彼ら新外国人選手が成功する絶対的な条件とはなにか-。球界関係者やOBたちは異口同音に指摘するのが「起用する監督の我慢だ」という。例えば昨季のセ・リーグで規定打席に到達した新外国人選手はオスナ(495打席)一人だけだ。規定打席不足ながら400打席以上、打席に立った新外国人選手もサンタナ(418打席)だけ。滑り出しから打ったこともあるが、ヤクルト・高津監督が「我慢」して両新外国人打者に打席を与えたことが分かる。阪神のメル・ロハス・ジュニアは60試合出場で打率2割1分7厘、8本塁打、21打点。マルテやサンズとの併用策もあり、206打席に終わり、十分に存在感を示せなかった。

シーズンの滑り出しで結果が出ないと、監督は打線の中に「新外国人打者」を起用し続けることが困難になる。併用策や日本人選手に切り替えるのだ。来日前は大物外国人と期待していても、「打てない→負け」が続くと監督は我慢できない。巨人は実績十分のポランコに大きな期待を寄せている。4番・岡本の後ろを打つ5番として定着してくれればV奪回の使者となるだろう。しかし、出だしでつまずけば原監督はどうする?同じ外野手には日本で実績を積んだウィラーがいる。ポランコが左腕を打てなければ相手投手によってウィラーとの併用策となる可能性が高い。終わってみればどっちつかずの成績…となる心配はある。

新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が拡大してきた。日本野球機構(NPB)は国の水際対策が続く中で、外国人選手の入国について「少なくとも全選手が試合は最初から出られるようにしたい」としている。無事に入国→開幕戦出場と進めたとしても、ジャパニーズドリームを果たすためにはそれぞれの監督の「我慢」を引き出せるかどうかが大きなカギとなる。

(特別記者)