新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」による感染が全国で拡大する中、医療機関だけでなく保健所も含めた保健・医療体制全体の対策の実効性が問われている。政府は第6波への備えとして、第5波のピーク時の約3割増となる約3万7千人が入院できる体制を構築したとしているが、医療人材の確保という課題もある。医療の逼迫(ひっぱく)を引き起こした第5波の反省は果たして生かされるのか-。
「想定を超える爆発的な感染拡大が起きると必然的に重症者数が増加し、医療機関が対応しきれなくなる恐れがある」
日本医師会(日医)の中川俊男会長は6日の記者会見でこう語り、危機感を示した。沖縄県では過去最多の981人を確認しており、中川氏は「オミクロン株が主体の沖縄などでは感染拡大のスピードが極めて速い。デルタ株とは違う」と警鐘を鳴らした。