企業首脳、賃上げ意欲も回復不安

祝賀会終了後の記者会見で、経済同友会の桜田謙悟代表幹事は今年の抱負をそう述べた。

桜田氏が挙げたリスクのうち、新型コロナについてはなお警戒が必要とはいえ日本の新規感染者数は昨年よりは大幅に減っている。森トラストの伊達美和子社長は今年の景気について、個人消費の動向次第としながら「トータルで見れば昨年よりもいいはず」と改善を予想。百貨店大手、松屋の秋田正紀社長は「オミクロン株が長引かなければかなりの回復スピードになる」と期待を込める。

岸田文雄政権が期待する賃上げについても前向きな意見が目立ち、ローソンの竹増貞信社長は「もちろん考えている」と実施を断言する。

もっとも、一部の業種や企業では新型コロナの影響がなお深刻だ。ANAホールディングスの片野坂真哉社長は、国内線利用者が増えており「夜明けは近い」としながらも、まずは「黒字化とセットで(減らした従業員の年収を)元に戻していくことが目標だ」と打ち明ける。

エネルギー産業や製造業を中心に脱炭素化への関心も高い。石油連盟の杉森務会長(ENEOSホールディングス会長)は、産業革命以来ともいわれる環境変化を生き残るため「再生可能エネルギーや合成燃料などに果敢にチャレンジしていく」と意欲を示す。

一方、中国・新疆ウイグル自治区の強制労働をはじめとする人権問題や、米中対立への対応も最重要課題だ。経団連の十倉雅和会長は「こういうときこそ国際協調が求められており、日本がその中心的役割を果たすべきだ」と主張。日本商工会議所の三村明夫会頭は、2月開催の北京冬季五輪に日本政府が閣僚を派遣しないと決めたことについて「外交ボイコットという言葉を使わなかったのは独自性の表れ」と評価する。


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