企業首脳、賃上げ意欲も回復不安

経済3団体の2022年新年祝賀会であいさつする岸田文雄首相(中央)。壇上は右から経団連の十倉雅和会長、日本商工会議所の三村明夫会頭、経済同友会の桜田謙悟代表幹事 =5日午後、東京都千代田区(飯田英男撮影)
経済3団体の2022年新年祝賀会であいさつする岸田文雄首相(中央)。壇上は右から経団連の十倉雅和会長、日本商工会議所の三村明夫会頭、経済同友会の桜田謙悟代表幹事 =5日午後、東京都千代田区(飯田英男撮影)

経済同友会と経団連、日本商工会議所の経済3団体は5日、新年祝賀会を東京都内で行った。昨年は新型コロナウイルス禍で初めて中止され、2年ぶりの開催。経営者ら出席者の人数は感染対策のため、例年の約1800人から約240人に絞られた。

出席した岸田文雄首相は今年の春闘に関し「攻めの姿勢で協力をお願いする」と述べ、企業トップに賃金引き上げを改めて要請。コロナ禍からの景気回復には中間層への分配が欠かせないとの考えを示し、自身が掲げる「新しい資本主義」の実現に意欲を見せた。

一方、経済同友会の桜田謙悟代表幹事は冒頭のあいさつで、日本を成長軌道に復帰させるため「イノベーションの元年にしよう」と呼びかけた。また、経団連の十倉雅和会長は祝賀会後の記者会見で「業績を維持、もうかっている企業は積極的に社会、従業員に還元すべきだ」との考えを示し、賃上げへの協力姿勢を示した。

5日は連合も新年交歓会を都内で開催した。芳野友子会長は開催に先立って行われた記者会見で、連合が掲げる4%程度の賃上げ実現に向け「加盟組合が水準を死守すべく交渉してほしい」と改めて協力を呼びかけた。

新年祝賀会に出席した経営者からは、新型コロナウイルス禍で傷ついた経済が回復しつつある現状を踏まえ、経済の先行きに対する明るい見通しが目立った。ただ、足元では感染再拡大の兆しがみられるほか、資源価格の高騰やインフレなど懸念材料も少なくない。中長期的にも脱炭素化などの課題が山積する中、例年以上に危機感をあらわにする経営者も多い。

「(新変異株の)オミクロン株やサプライチェーン(供給網)の混乱、資源価格の高止まりなどさまざまなリスクはあるが、危機を脱出・卒業して徐々に回復していく年にしたい」