主張

コロナ第6波 宿泊施設の充実と活用を

全国で新型コロナウイルスの感染者が急増している。背景にオミクロン株の存在があることは間違いない。

世界保健機関(WHO)は市中感染が広がれば1日半から3日で感染者数が2倍になると推計している。かつてない速度だ。第6波は始まっていると考えるべきだ。

オミクロン株に感染しても重症化率は高くないとされるが、感染者が増えれば重症者も増える。警戒を強化しなければいけない。

岸田文雄首相は4日、「水際対策の骨格は維持しつつ、重点を国内対策へ移す準備を始める」と述べた。従来は陽性者全員を入院させていた。この方針を転換し、一定条件の下で都道府県ごとに自宅療養などでの対応を認めた。

欧米を見れば、感染者全員の入院は困難になる可能性がある。安易に自宅療養を検討する前に、まずは、宿泊療養施設の積極活用が重要だ。軽症者向けの飲み薬も登場したが、早期の服用が要件である。確実に服用するためにも、準医療施設の活用が欠かせない。

第5波の際は、自宅療養者が必要な医療を受けられずに死亡するケースもあった。患者が市中にあふれた反省に立ち、政府はコロナ病床を3割増やした。重要なのは医師や看護師の確保だ。派遣可能な人材もリスト化したという。万全を期してもらいたい。

薬剤が登場してもワクチンの追加接種が感染対策の切り札であるのは変わらない。接種のさらなる前倒しに向け、政府はワクチン確保に努力しなければいけない。

沖縄県では5日、新たに623人の陽性者が出た。政府は蔓延(まんえん)防止等重点措置を早期に適用し、県は、感染封じ込めに全力を挙げてほしい。

発端は、米海兵隊キャンプ・ハンセン(沖縄県金武町など)で発生したクラスターとされる。山口県では、岩国基地由来とみられる感染が地域に広がっている。青森県の三沢基地、神奈川県の海軍横須賀基地でも多数の感染者が出ている。いずれも米軍施設だ。

米軍はワクチン接種済みであることを前提に、米出国時と日本到着直後の検査をしていなかった。誤った対応だった。住民が怒るのは当然だ。昨年末から入国時の検査実施に転換したが、遅きに失した。反基地感情は日米同盟の抑止力を損なう。緊張感をもって対応しなければいけない。