中国・西安でロックダウン2週間 習政権の「ゼロコロナ」実現へ続く強制措置

感染対策のため封鎖された居住区の出入り口=5日、中国陝西省西安市(共同)
感染対策のため封鎖された居住区の出入り口=5日、中国陝西省西安市(共同)

【北京=三塚聖平】新型コロナウイルスの局地的な流行に直面している中国内陸部の陝西(せんせい)省西安市で、ロックダウン(都市封鎖)の実施から6日で2週間が経過した。住民1300万人の移動を厳しく制限したことで感染者数は減少傾向を見せているが、医療体制の逼迫(ひっぱく)や食料不足など市民は厳しい生活を強いられている。防疫措置を理由に妊婦が病院で診察を拒否されて死産となる悲劇も報告され、習近平政権の看板政策である「ゼロコロナ」への不満と怒りが高まっている。

西安ではデルタ株の感染が急拡大し、昨年12月9日以降で累計1800人超の感染者が確認された。同23日からロックダウンが始まり、外出が厳しく制限された。国家衛生健康委員会の発表によると、ピーク時には同市内では1日当たり100人超の感染者が確認されていたが、5日は63人だった。中国メディアは6日、西安での感染拡大リスクについて「基本的に既に抑えられた」との見方を伝えた。

ただ、厳格な感染対策により西安市民はさまざまな犠牲を強いられている。移動制限により物流が混乱し、一部で深刻な食料不足に陥っている様子が中国の会員制交流サイト(SNS)で伝えられている。食料を買うため外出しようとした若者が、居住区の出入りをチェックする担当者に殴打される事件も伝えられた。

香港メディアによると、1月1日夜には妊娠8カ月の女性が腹痛のため市内の病院に行ったが院内に入ることができず、病院の外で2時間待たされた末に大量出血をして死産となった。PCR検査の陰性証明の期限が4時間過ぎていたために、病院に入ることを拒まれたという。

SNSには「痛ましい」などの声があふれ、行き過ぎた防疫措置に疑問も出ている。当局は6日までにこの件について調査を行い、関係者の処分を行った。

一方、西安在住の女性記者の江雪さんは、これらを「本質的には人為的な災難だ」と批判する文章をSNSで発表した。江さんは、わずかな感染拡大も許さないゼロコロナ政策によるひずみを指摘しており、SNSでは「真実の話だ」と評価する声がある。2年前に湖北省武漢市が都市封鎖された際には、現地在住の女性作家の方方さんが当局に批判的な「日記」をネット上に公開しており、江さんの文章は「西安版武漢日記」とも称されている。