イラク駐留米軍施設への攻撃頻発 親イラン民兵組織か、撤収を要求

【カイロ=佐藤貴生】イラクで1月に入り、無人機などによる駐留米軍施設への攻撃が相次いでいる。イランと連携するイスラム教シーア派の民兵組織は米軍に駐留をやめてイラクから撤収するよう求めており、これらの組織が攻撃している可能性がある。イラクを舞台に勢力争いを展開する米イランの間で緊張が高まる局面も予想される。

ロイター通信によると、イラクの首都バグダッドの国際空港近くにある米軍駐留基地に3日、無人機2機が接近し、防空システムで撃墜された。同基地には5日もロケット弾が撃ち込まれたが、いずれも死傷者はなかった。4日には中西部のアサド空軍基地近くで無人機2機が撃ち落された。

米国主体の有志連合軍が公表した3日の撃墜現場の映像では、無人機の部品に「ソレイマニの復讐(ふくしゅう)」という文字が書かれていた。ソレイマニ氏はイランの対外工作を担う革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」の司令官で、この日はバグダッドで米軍の空爆により殺害されてからちょうど2年の節目だった。

イランは司令官が殺害された直後、アサド空軍基地などイラク駐留米軍の拠点を十数発の弾道ミサイルで報復攻撃し、一時は戦争への危機感が高まった。

イランの反米保守強硬派、ライシ大統領は3日、司令官殺害当時の米国大統領トランプ氏と国務長官のポンペオ氏について、「暗殺の犯罪行為を裁く公平な裁判にかけられなければ、イスラム教徒は復讐する」と述べた。

バイデン米政権は昨年末、スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討に一定のメドがついたとしてイラク駐留米軍の戦闘任務を終了したが、治安部隊への助言や訓練のため米兵約2500人がイラクで駐留を継続している。