米議会襲撃1年 バイデン大統領、トランプ氏の責任追及

2021年1月6日、米ワシントンの連邦議会議事堂の前に集結するトランプ大統領(当時)の支持者ら(ゲッティ=共同)
2021年1月6日、米ワシントンの連邦議会議事堂の前に集結するトランプ大統領(当時)の支持者ら(ゲッティ=共同)

【ワシントン=渡辺浩生】昨年1月、米連邦議会議事堂にバイデン大統領当選の認定手続きを阻止しようとトランプ前大統領の支持者らが乱入した事件から6日で1年が経過した。襲撃に関与した700人以上が起訴され、下院の調査委員会が全容解明を目指し、今夏までに報告書をまとめる方針。米国の政治社会の分断は続き、事件は民主主義の守護者としての地位にも暗い影を落としている。

バイデン氏は同日朝(日本時間同日深夜)、議事堂で演説し、再発防止へ決意を表明。「この神聖な場所で民主主義は攻撃された。国民の意思は暴力にさらされた」と強調し、トランプ氏に対して「平和的な権力の移行を、暴力的な群衆が議事堂に乱入することで阻止しようとした」と責任を追及した。

傍観した大統領

「あなたたちが死に物狂いで闘わなければ、国がなくなる。国を取り戻すために必要な誇りと大胆さを彼ら(議員)に見せてやれ」

昨年1月6日昼過ぎ、ホワイトハウス近くで開催された集会でトランプ氏は集まった数千人の支持者らに演説。群衆が歩み出した議会議事堂では上下両院合同会議で大統領選を受けた各州の選挙人投票を認定し集計する手続きが始まった。

午後2時以降、支持者らは議事堂内に乱入。制止を試みる警察官らを暴行、議事堂内の破壊行為にでるなどし、上院議場を占拠。ペンス副大統領ほか議員やスタッフが避難した。議長役のペンス氏は投票結果を翻す行動をトランプ氏から求められたが、憲法に沿った監督役に徹する旨を示し、乱入者の標的となった。

群衆の一部は刃物や棒、薬品スプレーなどを持ち込み、議事堂周辺でパイプ爆弾や銃などが発見された。

トランプ氏が「帰宅」を呼びかけるビデオをツイッターに投稿したのは襲撃開始から約2時間後だった。

警察官の増強、州兵の動員により同日夜までに議事堂内は沈静化。合同会議は深夜再開され7日未明までに集計を承認。ペンス氏はバイデン氏とトランプ氏の獲得選挙人数を読み上げ、「正副大統領に選ばれた人物の布告に十分とみなすべきだ」とバイデン氏当選を宣言した。

長い1日が終わったが、後遺症と余波は甚大だ。