政府への暴力「正当化される」3人に1人 米議会襲撃1年

2021年1月6日、米ワシントンの連邦議会議事堂内に乱入しようとするトランプ大統領(当時)の支持者ら(ロイター)
2021年1月6日、米ワシントンの連邦議会議事堂内に乱入しようとするトランプ大統領(当時)の支持者ら(ロイター)

【ニューヨーク=平田雄介】米連邦議会議事堂襲撃事件から6日で1年となるのを機に、ワシントン・ポスト紙がメリーランド大と実施した世論調査で、政府に対する暴力行為が時と場合によっては「正当化される」と答えた人が34%に上り、3人に1人を占めた。トランプ前大統領の選挙不正の申し立てに呼応した議会襲撃やバイデン大統領が進める新型コロナウイルスのワクチン接種義務化を踏まえ、左右を問わず、為政者が権力を乱用することに対しては「力」を行使しても構わないと考える国民が増えているようだ。

ポスト紙によると、同じ質問をした過去20年以上の各種調査と比べ「最も高い割合」。95年は9%▽2010年16%▽15年23%-だった。一方、政府に対する暴力が「決して正当化されない」と答えた人は今回62%で最低。95年は90%▽10年79%▽15年69%-だった。

政府への暴力が「正当化される」と答えた34%の人に、どんな状況下なら正当化されるか尋ねたところ、「政府が権利や自由を侵害した」を選んだ人が22%で最多。「政府が民主主義でなくなった」(15%)▽「政府が憲法に違反した」(13%)▽「政府が権力を乱用した」(12%)▽「政府が国民に暴力をふるった」(11%)-などと続く。

ポスト紙は電子版で、議会襲撃を受け「愛する人と自分の身を守るために絶対に武装しなければいけない」と決意した無党派の黒人男性(45)の声を伝えた。

米憲法修正2条は「国民が武器を保有し携行する権利は、自由な国家の安全にとって必要だから、侵してはならない」と定める。これを根拠に政府の圧政に対する「最後の手段」として武装蜂起を合憲とする考え方があり、議会襲撃を正当化する論法としても用いられている。ABCニュースと世論調査会社イプソスによる別の調査では、トランプ氏と同じ共和党員の52%が暴徒は「民主主義を守っている」と回答した。

同調査では暴徒に関し、民主主義の脅威とみなす人は民主党員で96%に上るが、共和党員では45%。事件へのトランプ氏の関与についても民主党員は91%が「大いに」または「それなりに」責任を負うと答えたのに対し、共和党員は78%が「ほんの少し責任がある」あるいは「全く責任はない」と考えていた。この傾向は議会襲撃事件直後の1年前とほぼ同じで、党派による分裂の激しさを裏づけた。