絵本と歩む

年始に親子で楽しむ「十二支のはじまり」

いつの時代でも干支(えと)が話題になると、「僕は〇年」「えっ? 私も」「おんなじだ!」と喜び、「なんでだ?」と不思議がる子供たちの姿があります。

平成9年に教育画劇から刊行された「十二支のはじまり」(岩崎京子文、二俣英五郎画)は、十二支の由来が描かれた絵本です。

「しょうがつの あさ、ごてんに くるように。きたものから 十二ばんまで じゅんばんに 一ねんずつ、その としの たいしょうに する」

年の暮れ、神様から出されたこのお触れに、「われこそが」と動物たちは大騒ぎになりました。

子(ね=ネズミ)は、ネコから御殿に行く日を聞かれたのに、わざと1日遅らせて教えます。そして、正月の前の晩から支度をして出かけた丑(ウシ)の背中に乗ってちゃっかり一番乗り。次がウシ、足の速いのが自慢の寅(トラ)、卯(う=ウサギ)と続きます。

雲に乗った辰(たつ=想像上の動物、竜)と、草むらの脇道をするすると進んだ巳(み=ヘビ)がその後に。

一緒に出発した動物たちの中で、うまくすり抜けたのが午(ウマ)と未(ヒツジ)。何かともめる申(サル)と戌(イヌ)の間に酉(とり=ニワトリ)が入りました。

亥(い=イノシシ)は、本当は速いのに御殿の前を行き過ぎてしまい、最下位で到着。そこで御殿の門が閉まりました。

翌日、教えられた通りにやってきたネコは噓に気づきます。それ以来、ネコはネズミを見ると追いかけるようになったそうです。

この本を読んだ子供たちは感心し、納得しました。

また、「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」と声に出し、十二支の言葉のリズムを楽しみました。さらに、年齢が上の子供たちは、年や月、時間など身の周りに「十二」の数があることに気付き、関心を持ちました。

一年のはじまりに、親子で楽しみたい一冊です。

(国立音楽大教授・同付属幼稚園長 林浩子)