青森の水産資源ブランド化を目指す漁師

「漁業者が力を合わせ、青森県の漁業の魅力を発信したい」と意気込む橋本翔さん=令和3年12月、青森県六ケ所村(福田徳行撮影)
「漁業者が力を合わせ、青森県の漁業の魅力を発信したい」と意気込む橋本翔さん=令和3年12月、青森県六ケ所村(福田徳行撮影)

青森・六ケ所 「尾駮鮮魚団」社長 橋本翔さん(39)

地域の貴重な水産資源をブランド化しようと、漁師の傍ら、地元で水揚げされる鮮魚の直販会社「尾駮鮮魚団」を設立した。漁獲量が減り、漁業就業者の高齢化と担い手不足という現状に「漁師として何かやれることを見つけなければ漁業は生き残っていくことができない」と力を込める。直販に加え、インターネットを活用するなどして県内外に販路を広げ、知名度もアップ。将来的に青森県内の漁師のネットワークを構築して水産業の豊富な魅力を発信していく構想も描く。

「このままではゼロ」

高校卒業後に青森県六ケ所村役場の臨時職員や会社務めをしていたが「本当にやりたいことは何なのか」と考え、漁師だった祖父と父の影響もあって転職した。

近年、全国的に漁獲量が減少傾向にあり、令和2年度の水産白書によると、元年の漁業・養殖業生産量は前年比22万トン減の420万トン。同村でも主力のサケやイカ、サバなどの水揚げが半減し、安価の状況が続く。漁獲高が右肩下がりに減り続ける現状を目の当たりにし「このままでは漁師の収入がゼロになる」と危機感を募らせる中、自ら平成28年から3年間、同村の特産品開発プロジェクトに参加。アドバイスを受けた中田創さん=千葉県流山市在住=と一昨年8月に会社を設立した。

鮮度が強み

自ら仲買人の資格を取得し、尾駮漁港で当日水揚げされた魚や商品にならない魚についても買い付けて出荷、販売する。第三者を介す一般的な仲買とは違い、水揚げされた瞬間から血抜きや締め方、温度の調節など変更できるため、鮮度を保ったまま消費者に届けることができるのが強みだ。「船上で捨てたりする規格外の魚に対して漁師の向き合い方が変わってきた」と目を細める。