4月から新たに高校の必修科目となる「現代の国語」で検定合格した教科書のうち、唯一、文部科学省の方針に反して「文学的な文章」である小説を掲載した教科書が採択シェアでトップを奪取した。新学習指導要領で事実上、「論理的・実用的な文章」の掲載に限るとされた中での挑戦的な試み。国主導の授業改革に揺れる教育現場のニーズを浮き彫りにしただけでなく、現代的な国語教育のあり方に一石を投じる結果となった。
「不公平」批判
高校の新科目「現代の国語」の採択でトップとなったのは、第一学習社の「高等学校 現代の国語」。占有率(シェア)は16・9%で、2位は東京書籍「新編現代の国語」(15・8%)だった。